木村拓也

2010年04月10日

追悼、木村拓也選手…… 〜取材メモから〜


福岡ヤフードームでの取材を終え、先ほど帰京。

書かねばならない原稿があるので、
呑みにも行かず、すぐにパソコンを立ち上げる。

そして、ここ数日、「巨人 キムタク」で検索して、
このブログにたどりつく方が多いことに気がついた。

僕は以前、こんな記事をエントリーした。


「キムタク」に本物も偽物もあるか!
〜ジャイアンツ・木村拓也選手インタビュー〜



去年の10月、東京ドームで木村選手に話を聞いた。
シーズンを1位通過し、CS、日本シリーズに臨む直前のこと。

このときには、この年の9月4日について話を聞いた。

――9月4日。

木村選手は、捕手として急遽、試合に出場し、
チームの危機を救い、優勝へ一歩前進することに成功。

この試合での感情の揺れ、そして、プロ19年生としての矜持、
「チームのために」という美学、そんなことを聞いた。

この日の取材音源が残っていた。

すぐに取りかからねばならない原稿を抱えていたけれど、
「再生」を押し、このときの取材を反芻した。

終始、照れながら、でも、少し得意げな様子も見せながら、
ヤクルトの青木を三振に仕留めた際の配球について語ってくれた。


「実はあの場面では、青木を迷わすために、
もうひとつ試したことがあるんです……」



インコースを意識している青木に対して、
木村「捕手」は、あえて早めにインコースに構えたという。


「バッターというのは、キャッチャーが
自分のところに寄ってきたというのは、
視界に入るので何となくわかるんです」



初めから「インコースのスライダー」で、
青木を仕留めるつもりだった。

だから、それまでの配球において、
「アウトコースのスライダー」か、
「インコースのシュート」を意識させておいた。

そしてあえて早めにインコースに構え、
さらに強く「インコースのシュート」を意識させた。
その上で裏をかいて、「インコースのスライダー」を投げさせた。

そして、狙い通り青木は空振りの三振。


「キャッチャーの楽しみってこれなんだなと思いました」


そう言って、木村選手は白い歯をこぼした。
あれからわずか半年。

まさかこんな事態になろうとは……。
謹んで、ご冥福をお祈りいたします……。






shozf5 at 00:16|PermalinkComments(3)TrackBack(0)

2009年10月15日

「キムタク」に、本物も偽物もあるか! 〜ジャイアンツ・木村拓也選手インタビュー〜



昨日(14日)、昼過ぎから東京ドームへ。
目的は、ジャイアンツのキムタクこと木村拓也選手取材。

で、取材前にはCSに向けたジャイアンツの練習を見学。
実戦形式の練習風景をたっぷり堪能する。

三塁ベンチから、シートバッティングを見たけれど、
間近で見るクルーンのストレートの速さや、
小笠原選手のスイングの速さ、打球の勢いはスゴかった。

松本哲也選手の天秤打法もサイドからハッキリ見た。
左手の支え方は以前、話に聞いた通りだったけれど、
足の上げ方、タイミングの取り方は、いろいろ試していたようで、
「“考えること”が僕の生きる道」と語っていたことを思い出した。

途中、グライシンガーが右ひじ張りのために緊急降板するなど、
深刻な事態も起きたけれど、それでも、質量豊富な
選手たちを見ていると「やっぱり強いなぁ」という感じ。



練習終了後、いよいよ木村拓也選手のインタビュー。
目的は、9月4日の延長12回表の守備について。

この日、僕は東京ドームにいたのだけれど、
天井にボールが当たって二度もヒットになったり、
今季最長試合になったりといろいろなことがあった。

その白眉が「キムタク・キャッチャー」起用だろう。
この瞬間の異様な盛り上がり方は、強く記憶に残っている。

内野手登録でありながら、ピッチャー以外は、
すべて守れるという、監督にとって非常に心強い男。
その男が、本領を発揮したのがこの試合だった。

三人目のキャッチャー・加藤健が頭部に死球を受け退場。
「もうキャッチャーがいない!」という緊急事態の中、
キムタクは「オレしかいないだろう」と、
誰の指図も受けずに、ブルペンに走る。

投手とサインの打ち合わせをする間もなく、
グラウンドに戻り、ぶっつけ本番が始まる。
結果、キムタクは打者5人を計23球で、
ヤクルト打線を0点に抑えることに成功する。

急造キャッチャーでありながら、受けたピッチャーは、
豊田、藤田、野間口と1イニングで計3人。
3人とも持ち球も違えば、変化の度合いも異なる。
それでも、キムタクは見事に3人をリードしきった。


特に圧巻なのは、青木宣親との対戦場面。


2−1からの勝負球にインコースへのスライダー、
俗に言う「インスラ」を選択する絶妙なリード。
上の映像にもあるように、解説の山本浩二氏も大絶賛。

今回のインタビューでは、この場面を中心に話を聞く。

「決め球は最初から決めていました」

それは、決め球から逆算した上での好リードだった。
では、なぜ「インスラで勝負しよう」と思ったのか?
それは、これから原稿で書きたいと思うが、
そこには、ベテランならではの冷静な観察眼があった。

「こういうときのために若い頃からやってきた」と語る
プロ入り19年目の大ベテランの話は、
やはりプロならではの矜持に溢れており、
何だか知らないけれど「オレも頑張ろう」と、
勇気をもらえた至福のひと時となった。



追伸
本日のタイトルは、昨日、とある酒場で
「キムタク取材」について話をしたところ、
「何だ偽物か……」と落胆した女性に向けて、
ついつい、心の中で叫んだひと言。











shozf5 at 09:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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