『太平洋・クラウン』書籍関連

2015年01月06日

【太平洋・クラウン書籍・執筆余話01・基満男氏】

141202・基満男氏 (9)

2011年から取材を続けてきた太平洋クラブ・クラウンライターライオンズ関連取材。1973〜1978年まで、太平洋4年、クラウン2年の合計6年間という短期間だけ存在したプロ野球チーム。これまでにOB、フロントなど、のべ40数名のインタビューを行った。そして、ようやく今春、一冊の書籍として刊行されることが決まった

この年末年始は、これまでに行った膨大なインタビュー原稿を整理し、構成を考える作業に没頭。年明け早々、韓国取材があったため、実に慌ただしかったもののようやく構成も見えつつある。この物語は、ずっと「早く書きたい」と思いつつ、あえて自分を焦らしてきたため、おそらく書き始めたら、あっという間に執筆完了となるような気がしている

この6年間、チームに在籍した基満男氏――。
基さんには11年12月、そして14年12月、二度にわたって福岡でお話を聞いた。基さんのお話は実に面白い。現役時代から一匹狼で、人とつるむことをしなかった性格そのままに他の選手に対する批判がかなり厳しい。特に、同僚だった竹之内雅史氏に対する舌鋒は鋭い

開口一番、「オレはアイツのことは好きじゃない」と言い放つと、その理由を詳しく話てくれた。後に、竹之内さんに基さんの発言を告げると、「いかにもアイツらしいよ」と豪快に笑った。そんな竹之内さんもカッコよかった。

詳しくは、これから本書で執筆していくつもりだけれど、ひとつだけエピソードをご紹介したい。

「オレは、“竹之内はラクやなぁ、幸せな選手やなぁ”って、ずっと思っとったよ」

その理由を聞くと、

「気持ちよくバットを振って、当たればヒット、外れればゴメンナサイで済むやろ、アイツは。でも、そんなのがホントにプロか?」

ファンは、当たればホームラン、ダメなら三振という豪快スイングを喜ぶもの。でも、基さんによれば、「素人のファンならばそれでもいいけど、本物の玄人の目から見れば、あれは自分本位のバッティング」とのこと。そして、基氏はこう締めくくった。

「ヒットを打つやろ? でもな、本当に大切なことは、自分で喜ぶか、それとも相手ピッチャーを泣かすか? どっちかっちゅうことよ」

自分で気持ちいいスイングをして豪快な一発を打って喜んでいるうちは、まだ素人。一方で、相手ピッチャーに散々、苦労させた上で、その決め球を平然と打ち返すのが本物の玄人。それが、基氏の考えだった。

竹之内さんには竹之内さんの考えがあり、言い分があるのだけれど、それは別の機会に触れたい。基さんも、竹之内さんも、「本当のことならば、どんどん書いていいよ」と言ってくれたのがありがたい。

そして、基さんは2人の打撃について端的に言った。

「……つまりは、野球観がまったく違うんだよ、竹之内とは」


基さん、竹之内さんをはじめ、太平洋・クラウン戦士は実に個性的な面々ばかりだった。今後、少しずつ、このブログにて、執筆中のこぼれ話を記していきたいと思う。どうぞよろしくお願いいたします。



※2014年12月5日に新刊、『プロ野球、伝説の表と裏』を発売しました!






shozf5 at 20:01|Permalink
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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