2013年01月12日

W杯3連覇への道・その15【準決勝・「エース」磯崎の奮闘!】

取材・文/長谷川晶一
http://www.facebook.com/madonnajapan.hikari

磯崎・西

順当に予選リーグ7試合を6勝1敗で1位通過したマドンナジャパン。現地時間8月18日からは、予選上位4チームによるトーナメント戦がスタート。新谷博監督(元西武など)率いる日本チームは、18日15時から、予選4位のオーストラリアと準決勝を戦う。

大事な一戦を任されたのが、尚美学園大の磯崎由加里。予選3戦目のキューバ戦に先発して5回完封、同じく6戦目のオーストラリア戦にリリーフし2回パーフェクト。今大会、絶好調の21歳、頼れる右腕だ。速いカーブと遅いカーブ、それぞれがカウント球、勝負球となり、ストレートのキレもいい。緩急で勝負できる好投手て若くして、老獪な投球術が自慢だ。

磯崎
注目のスターティング・メンバーは以下のとおり。

1番・中野菜摘(4・尚美学園大学)
2番・六角彩子(5・侍)
3番・三浦伊織(8・京都アストドリームス)
4番・西朝美(2・アサヒトラスト)
5番・川端友紀(DH・京都アストドリームス)
6番・金由起子(3・ホーネッツ・レディース)
7番・中村茜(7・兵庫スイングスマイリーズ)
8番・出口彩香(6・尚美学園大学)
9番・志村亜貴子(9・アサヒトラスト)
P・磯崎由加里(尚美学園大学)


投手以外は、前夜のカナダ戦と一緒のオーダーだった。

清水コーチと外野陣
試合前には、清水稔コーチ(元三菱重工神戸監督)が外野陣を集め、ミーティングを行っていた。前夜のカナダ戦といい、予選のアメリカ戦、オーストラリア戦といい、外野への飛球が、思いのほか伸びることへの注意だった。このミーティングで、この試合では長打ケアを優先することが確認された。

さて、磯崎は、この日も絶好調だった。初回を三者凡退に抑える上々の滑り出し。ただ、少し気になったこともあった。この日の僕の取材ノートには「スローカーブ多投気味」と走り書きが残されている。

しかし、オーストラリア打線は磯崎のカーブにまったくタイミングが合わない。3回に1点を失うものの、走者を出しながらも、要所を締めて、付け入る隙を与えない。一方の日本打線は、先制を許したものの、3回裏に相手のエラーで同点に追いつき、1番・中野の、この日2安打目となるセンター前、3番・三浦のセンターオーバーツーベースで、合計3点を挙げて、一気に逆転。試合を優勢に進める。

さらに、その後も日本チームは加点し、5対1で勝利する。

試合終了直後、磯崎・西のバッテリーに話を聞いた。聞きたかったのは、「スローカーブの多投について」だった。

磯崎・西
開口一番、捕手の西は言う。

「意識としては、カーブ8割、ストレート2割のつもりでした」

その比率に驚いていると、西がさらに補足する。

「磯崎のカーブは、わかっていても打てないんです。私が普段、イソと対戦するときも、そうなんです。たとえ4球続けられても、まったく打てない(笑)」

この「8対2」の割合で、前半は行けるところまで行き、タイミングが合い始めたところから、パターンを変える。それが、磯崎・西のバッテリーと新谷監督の作戦だった。

さらに、西の頭にあったのは、

(もし自分なら、どんな配球がイヤか?)

という思いだった。今大会、すでに3つも敬遠されている世界的強打者の西選手の「打者としての視点」が、磯崎の、さらなる長所を引き出したといえるのかもしれない。こうして、オーストラリア打線は最後まで磯崎投手のカーブをとらえることはできず、手も足も出ないまま敗れ去った。

代表歴は今回が二度目。21歳の磯崎は、紛れもなく今大会のエースだった。新谷監督が「代表投手陣の中で最も、相手バッターを見ることができる」と絶賛し、「相手バッターの嫌がるピッチングができる」と信頼する投手。それが磯崎だった。

試合後ミーティング
試合後、新谷監督は「いいゲームだったね」と振り返りつつも、「すべては明日!」と、さらに気を引き締める。

そして、この試合の後、カナダ対アメリカ戦が行われ、この試合の結果、19日の決勝戦は日本対アメリカに決定。予選リーグで、日本が唯一の敗戦を喫している相手だけに、ぜひここでリベンジを果たし、初の三連覇を実現させたいところ。

……さぁ、泣いても笑ってもあと1試合。運命の一戦となる決勝戦。はたして先発は誰になるのか? 新谷監督の腹は決まっていた。そう、最も頼りになる「エース」を起用することをすでに決めていた……。

マドンナジャパン 光のつかみ方――世界最強野球女子
マドンナジャパン 光のつかみ方――世界最強野球女子


shozf5 at 10:30│ 今日も元気に女子野球! 
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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