2012年12月24日

W杯3連覇への道・その5【ついに最終20名が決定!】

W杯3連覇への道・その5【ついに最終20名が決定!】
取材・文/長谷川晶一


2012.07.21〜22@愛媛松山・マドンナスタジアム、坊っちゃんスタジアム

0721〜22・松山合宿・全員集合

6月の前回合宿で24名に絞られたマドンナジャパン代表候補。いよいよ、最終20名が決定するときが訪れた。この第四次合宿でもフリーバッティング、シートノックなどの基本練習の後に、試合形式で各選手の調子の見極め作業が行われることとなった。

新谷博監督(元西武など)は言った。

「もう、みんな横一線ですよ。この中から、どの20人を選んでもカナダで戦えます。ここから4人を落とすのは本当に難しい。この紅白戦で活躍できるかどうか。それが最後の決め手になると思います」

新谷の心中は察するに余りあった。本当に「どの20人を選んでもカナダで戦え」るはずだ。それでも、この合宿で4名が外れる。新谷がどんな判断を下すのか、僕もとても興味深かった。

0721〜22・山崎、六角、新井

選考において、最大の難問は「サード代表選び」だったはずだ。大ベテラン・新井純子(尚美学園大学・写真右)、前回大会MVP・六角彩子(侍・写真中央)、そして大学に入って、急成長を遂げている前代表・山崎まり(アサヒトラスト・写真左)。新谷監督の話を聞いていると、六角の評価がかなり高いことは感じていたので、「六角は当確だろう。では、もう一人は?」というのが、僕の心境だった。

ベテラン・新井はシュアなバットコントロールは健在だったが、肩の衰えが目立っていた。それでも、第1期から代表を務める新井の「経験」は貴重だ。一方の山崎は高校時代から代表経験を持ち、今回は心身ともに万全のコンディションで勢いがあるように見えた。「経験」か「勢い」か? 新谷はどう判断するのだろうか?

0721〜22・出口、川端

一方、ショート争いは川端友紀(京都アストドリームス)と出口彩香(尚美学園大学)で何の問題もないだろう。プロを代表するスター選手・川端の選出は当然として、出口の存在感が合宿のたびに際立っているように感じられた。どんなに強い打球でも、どんなに難しいバウンドでも、出口は身を挺してボールを止めた。また、代表一、二を争う強肩は魅力的だった。 出口の代表入りは確実だった。

やがて、練習が終わる。代表発表の瞬間が刻一刻と近づいてくる。
選手たちがクールダウンを行っている間、新谷監督が動いた。

0721〜22・新谷監督、坂本

まず新谷監督が近づいたのが、片岡安祐美(茨城ゴールデンゴールズ)のもとだった。

「ちょっと地味だな。もっと目立たなきゃ。存在は目立ってるんだけど、プレーが目立たんもんなぁ……」

その言葉で片岡はすべてを察したという。いや、その日の朝からすでに覚悟はあった。

「私、もうその日の朝の時点でわかってました、落ちるって。だって、朝から必要以上に声をかけてくるんですよ。“おい安祐美、元気ねぇな、どうした?”って。“いやいや、元気ですけど”って、いうのが何回もあって(笑)。その時点で覚悟はできていました。だから、発表の瞬間も悔しいのは悔しいけど、涙も出ませんでした。本当はダメなんでしょうね。こんなんじゃ」

0721〜22・新谷監督、高島

この日、片岡のほかに、高島知美(ハマンジ)、坂本加奈(マドンナ松山)、山崎まり(アサヒトラスト)が代表メンバーから漏れることになった。

新谷監督にとっては、いずれも苦渋の選択だった。「誰かがわかりやすいミスをしてくれれば(選ぶのが)ラクなのにな」と笑っていた新谷の気持ちは本当によくわかる。繰り返しになるが、「誰が選ばれても世界で戦える24名」なのだから、そこから4名を外すのは本当に大変なことだった。

0721〜22・最終メンバー発表

そして、坊っちゃんスタジアム会議室で、メンバー20名が発表された。
投手6名、捕手2名、内野手8名、外野手4名。プロ選手5名は全員代表入りを果たした。
この20名が、史上初の大会3連覇を目指して、カナダ・エドモントンで戦うこととなった。

大会まではすでに一ヵ月を切っている。

8月5日から再び松山で直前合宿が行われ、8日にはカナダへと旅立つ。一瞬、安堵の表情を浮かべた選手たち。しかし、その表情はすぐに引き締まったものとなっていた。

※以降、不定期でしばらくの間、続きます。

マドンナジャパン 光のつかみ方――世界最強野球女子
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shozf5 at 12:30│ 今日も元気に女子野球! 
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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