2012年08月15日

【マドンナジャパン】カナダ奮戦記・その5

磯崎・ブルペン

カナダ・エドモントン、現地時間13日11時から、
第5回女子野球ワールドカップ、日本対キューバ戦が行われました。


前日のアメリカ戦では、2対5というスコア以上の
屈辱的な敗戦を喫しただけに、ここは気分一新を期待したいところ。

先発マウンドを託されたのは、尚美学園大の磯崎由加里。
カーブ、シュート、スライダーを操る磯崎投手は、
埼玉栄高校時代から注目の投手で、
スローカーブで打者を翻弄する巧みな投球術が持ち味。
前回大会でも、日本三本柱の一角を占めていました。

田中

また、この日はプロから代表入りした田中幸夏がスタメン起用され
今大会初めての試合出場を果たしました。

田中選手は神村学園高校時代の04年、
このエドモントンで開催された第1回大会出場経験を持ちます。

「8年前と比べて、球場がきれいになったかな?
久しぶりのジャパンなので、頑張ります!」



この日の、スターティングメンバーは、

1番・志村亜貴子(9)
2番・六角彩子(5)
3番・三浦伊織(8)
4番・西朝美(2)
5番・川端友紀(DH)
6番・金由起子(3)
7番・出口彩香(6)
8番・田中幸夏(4)
9番・萱野未久(7)

P・磯崎由加里



この日、前日までの2試合から打線を変更してきました。
過去ずっと先頭打者を任されてきた志村選手が1番に、
ポイントゲッターとして期待される三浦選手を3番に起用。

そして、この用兵は見事に的中します

1回裏の日本の攻撃で、1番・志村が四球で出塁すると、
相手チームの守備の乱れに乗じて、無死二、三塁として、
3番・三浦が見事にセンター前に2点タイムリーヒット。
前日の嫌な雰囲気を一瞬で吹き飛ばしました。

三浦・大山

※三浦(左)、大山の同級生コンビ

投げては、磯崎投手が緩急自在のピッチングで、
キューバ打線を翻弄。決して速球派でもないのに、
面白いように打者はタイミングを狂わされ、空振りの山。
4回表は三者三振という、実に小気味いい投球を披露。

2回表の守備で、レフトの萱野選手が、
打球を左目に当て途中退場というアクシデントもありましたが、
日本チームは浮き足立つことなく落ち着いていました。
(検査の結果、萱野選手に異常はありませんでした)

試合は、終始日本ペースで10対0、5回コールド勝利
文句のない、戦いっぷりでした。

……しかし、マドンナジャパンを率いる新谷博監督は、
この勝利を手放しで喜んではいませんでした。

試合終了直後、選手たちをレフト付近に集め、
厳しい口調で、緊急ミーティングを始めました。

試合直後ミーティング

これまで、新谷監督に何度も取材を行ってきましたが、
その口調は、今までにない強さに彩られていたものでした。

「みんなプレーが軽い、オレたちがやっているのは、
“明日負けたら、終わり”の戦い。
サインミスなんかしてる場合じゃないだろ!
ワンプレーごとにいちいち喜ぶな。日本に帰ってから喜べ!」


これも珍しいことですが、このとき新谷監督は、
実名を挙げて、名指しで数名の選手を批判します。


これからしばらくして、監督に「激」の真意を聞きました。

「選手たちに“今のままでは勝てない”と気づいてほしいんです。
以前から“日本代表ってそんなに甘いものじゃない”って、
口を酸っぱくして言ってきたけど、それが薄れてきたようだから」


そして、最後にこう口にしました。

「結局、僕自身が選手たちに遠慮していたのかもしれない。
でも、昨日アメリカに負けたことで、僕自身が変われた。
代表の重みをもう一度きちんと伝えたかったんです。
アメリカに負けたことでそう思えたんです」


前夜の敗戦を糧にして、また一歩踏み出したマドンナジャパン。
後に振り返ってみたときに、間違いなくターニングポイントとなる一瞬。
そんな瞬間が、この日の試合後に繰り広げられました。

……「その6」につづく。














shozf5 at 01:57│ 今日も元気に女子野球! 
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


長谷川晶一著作物
Recent Comments
楽天市場