2012年04月23日

女子野球・日本代表候補対プロ選抜、詳報!

日本代表候補


今夏(8月10日〜19日)、カナダ・エドモントンにて
行われる「第5回女子野球ワールドカップ」

ここまで大会連覇を果たしている「マドンナジャパン」は、
史上初となる大会三連覇を目指して、すでに始動している。

代表監督を務めるのは、西武などで活躍した新谷博氏
尚美学園大学女子硬式野球部監督でもある新谷氏は、
過去二大会の投手コーチとして主に投手陣を指導し、
今大会から、重圧のかかる中で監督に就任した。

3月に開催されたトライアウト通過者は全24名。
この中には、日本一有名な女子選手・片岡安祐美や、
世界レベルの飛距離を誇る超スラッガー・西朝美など、
多士済々の顔ぶれが並んでいる。

この24名の中には、女子プロ選手は一人もいない。
なぜなら、一人もトライアウトを受験していないからだ。

と言っても、男子球界のように、プロとアマとの間に、
忌まわしい過去や悲しい断絶があるわけではない。

開幕時期など、諸問題との兼ね合いなどから、
トライアウト受験はかなわかなったものの、
日本女子プロ野球機構(GPBL)・片桐諭代表は、
早くから「いつでも全日本さんには協力する」と表明。

これを受けて、日本女子野球協会・大倉孝一理事長も、
「戦力の見極めが整った段階で、補強選手を
プロ側に要請したい」
と応えていた。

前置きが長くなったが、こうした経緯から実現したのが、
4月21日、わかさスタジアム京都で行われた、
「日本代表強化試合」としての、
日本代表候補対女子プロ選抜2連戦だった。

これまで世界の中で数々の実績を残してきた日本代表。
対して、設立から3年目を迎えたばかりの女子プロ野球。

代表選手の中には「プロには魅力を感じない」と公言する者もいる。
一方、プロ選手の中には代表選手から漏れた選手も多い。

こうした事情を踏まえて、女子球界にはこんな考えがあった。


「プロよりもアマのほうが実力は上だ」


事実、昨年秋に開催されたプロ・アマトーナメント
「ジャパンカップ」では、プロ2チームが、いずれも、
引き分け抽選とはいえ高校チームに敗れている。



僕自身も、W杯取材を通じて、日本代表チームのレベルの高さは、
世界最高峰にあると確信していたし、プロと比較して、
やはり、代表チームの方が実力者ぞろいだと考えていた。


しかし――。


21日に行われた2試合は、これまでの「常識」が誤りだった、
もしくは、完全に覆されたと、誰もが知る機会となった。


第一試合 女子プロ選抜 6対1 日本代表候補
第二試合 女子プロ選抜 9対0 日本代表候補



プロ選抜チームは2試合で、打っては26安打、投げては1失点。
対する代表候補は2試合で、わずか1得点で、投げては15失点。

京都の三浦伊織は2試合で6安打を放った。
高校時代はテニス部でインターハイに出場し、
プロに入るまで硬式野球経験のない三浦は、
アマチュア関係者にとってはほぼ未知の存在だった。

三浦伊織


かつて、日本代表選手だった小西美加は、
プロの2年間でさらに精進し、リーグ一の大エースとなった。
アマチュア関係者がイメージしている「過去の小西」と、
「現在の小西」はまったくの別人だと言ってもいいだろう。

リーグ創設からすでに2年を経て、
三浦や小西に象徴されるように、現在のプロのレベルは
急成長、急発展を遂げているのも紛れもない事実だ。

アマチュア選手の多くは、これからシーズンが本格化するのに対し、
プロ選手は開幕からすでに1ヵ月が経過し、本調子にあるのは事実。

しかし、そうしたことを考慮に入れたとしても、
個々の体幹の強さ、スイングスピード、打球の速さ、飛距離、
脚力、走塁技術、連係プレー……、すべてプロが勝っていた。

まさに、過去2年間、ひたすら野球に取り組んできた、
プロの意地と強みを存分に発揮する結果となった。

過去2年間、兵庫のキャプテンを務め、
連続打点王に輝いた川保麻弥は試合後に言った。


「野球を仕事としてやっている以上は勝たなくてはいけない」

川保麻弥


この結果を踏まえて、女子野球協会は22日に、
プロ側からの追加補強選手として、

・川端友紀
・三浦伊織
・小西美加
・厚ケ瀬美姫
・田中幸夏
・中村茜


の招集を発表した。

この6名は、今後5〜7月にかけて行われる
代表合宿に参加することも決まっている。
プロとアマとの良質な化学融合が訪れることを期待したい。

この強化試合が4月に行われたことを、
今は幸運だったと思いたい。

代表候補に慢心があったとは思わない。
けれども、「完敗」という、屈辱と悔しさの中で、
「自分たちはまだまだなのだ」と、
再確認できたことは、本当に幸運だったと思いたい。

今後の練習や合宿では、顔色が変わっていることだろう。
すべては、そこから始まる。

「2012年4月21日――
日本代表候補チームにとってのリスタート記念日」


後に振りかえった時に、
そう笑える日が来ることを僕は、心から期待している。




shozf5 at 01:21│ 今日も元気に女子野球! 
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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