2011年12月25日

クリスマスイブに78歳からのラブレター

78歳からのファンレター

年内の原稿書きがほぼ終わったので、
じっくり腰を据えたいゲラ直しや資料整理をしている。

仕事部屋には、高橋ユニオンズ、モーニング娘。、
そして、元アイドルのCDや写真集、
ジャイアンツ、太平洋・クラウンライオンズ……、

今年手がけた仕事の資料が山積みなので、
それらを整理し、資料部屋に運んだりしている。

でも、ついつい手元の資料類に目を通したりして、
なかなか思うように作業がはかどらない。

それらの中に、手紙やハガキが数多くあった。
数えてみると、全部で十四通

差出人は、いずれもかつて取材をさせてもらった方々。
その年齢は、みな70代以上の方ばかりだった。

現代では、要件のやり取りはほぼメールでなされる。
自筆で手紙を書き、切手を貼って投函するという、
こうした一連の作業は、かなり激減している。

しかし、やはりご高齢の方たちは、筆まめの方が多い。
そうした手紙をひとつひとつ読み返していたら、
取材時のさまざまなことが思い出されてきた。

札幌に住む76歳の方から頂いたハガキがある。
この方には一度もお会いしたことはない。
拙著『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』を読んで、
わざわざご丁寧な感想文を送ってくれたのだ。

それによると旭川には「スタルヒンラーメン」があるという。
ぜひ、今度、食べてみたいものだ。


あるいは、今月中旬にもらった手紙がある。
差出人は今年78歳になった大阪の女性
彼女は、戦後すぐに発足した女子プロ野球の選手だった。

二年ほど前に、僕は彼女に話を聞き、
原稿用紙50枚ほどの短編を書いた。

この原稿は諸事情があって、未発表のまま。
それでも、彼女は

「これまで、いろいろな取材を受けてきたけど、
 今までで一番お気に入りの原稿よ」


と僕を気遣ってくれた。


戦後すぐの焼け野原。
辺りをさえぎるものは何もない大阪。

大阪城だけがそびえ立っている夕闇の中で、
当時、十代だった少女は、野球道具を背負って、
疲れた体を引きずるようにとぼとぼと歩いている……。


彼女の話を聞いていると、絵が浮かんでくるようだった。
僕としても「いい作品ができたな」と思っていたものの、
結局、この原稿は陽の目を見ることがなく、
お礼として彼女に手渡しただけで終わってしまった。

それでも、彼女は折に触れて僕を気遣ってくれている。
11月にお会いする機会があったので、
発売されたばかりの新刊を手渡した。そのお礼が先日届いた。

いつもながらの達筆で、拙著に対する感想がつづられた後に、
こんな一文があった。


「長谷川さんのファンです」


今までもらったファンレターの中で、一番嬉しかったかも(笑)。
世間が浮かれているクリスマスイブの深夜。
薄暗い部屋で、この手紙を眺めながら過ごした。

……全然、寂しくなんかないもん。強がりじゃないもん。


……まったく資料整理がはかどらない。ヤレヤレ。





shozf5 at 13:03│ 忘れられぬインタビュー 
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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