2011年04月25日

取材の反省、原稿の反省……

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ここ数日、取り組んでいた原稿がようやく終わった。
取り組んでいたのは、ある女優さんの物語

その人は、デビュー以来15年、さまざまな
バッシングの嵐に見舞われてきた人だった。

10代半ばでデビューして二十歳になる頃に最初の騒動。
その後、30を目前にして二度目の騒動。

一度は、完全に心が折れてしまったこともあった。
それでも、そのたびに立ちあがり続けた不屈の女性。
そんな彼女の半生を描きたいと思った。

事前にできる限りの資料を集めインタビューに臨む。
驚いたのは、彼女が事前に自分のノートに、
自分の半生について、いろいろとメモしてくれていたこと。

「今日は、いっぱい聞かれると思って……(笑)」

これまで、いろいろな人にインタビューしてきたけれど、
こんなケースは初めてのことだった。

それを本人に告げると、彼女は、
「おーっ、好印象(笑)」とさらに笑った。

インタビューは2時間ほど行った。
かなり答えづらい質問に対しても、
彼女は明るく健気に答えてくれた。

事前にメモをしてきてくれた姿勢に敬意を表し、
懸命に言葉を紡ぐ姿に感動もし、僕は原稿を書き終えた。


……しかし、その原稿を全面的に書き直すことになった。


誰にも、触れてほしくない部分はある。
一方で、芸能人は自らのプライバシーを切り売りしている部分もある。
だからと言って、そこに土足で踏み入る権利は、僕にはない。

けれども、「人の踏み込んでほしくないこと」に、
人の胸を打つもの、心を揺さぶるものが多いのも事実。
そこで、どうアプローチをし、どんな物語を見つけていくか?

そんなタイトロープを渡りながら、何とか向こう岸にたどりつく。
常に目指しているのは、そこなのだが、
今回は、僕は足を踏み外してしまったようだ。

願っているのは、読者が「面白い」と思ってくれ、
取材対象者が「長谷川さんに書いてもらってよかった」と、
両者が喜んでくれる原稿を書くことだ。

もちろん、それがうまくいけば編集者だって喜んでくれる。
しかし、今回は、それができなかった。


原稿を修正することに異議も不満もない。


元より、彼女を貶めたり、さげすんだりする原稿など書きたくない。
今は、取材対象者との距離感を見誤ってしまったこと、
適切な表現を見つけられなかったこと……。

それを反省しながら、次のステップとしたい。
そんなことを思いながら、修正原稿を、今、書き終えた。


この原稿、もうしばらくしたらきちんとご紹介できます。
発表された暁には、ぜひご紹介させてください。












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PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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