2010年11月06日

「才能とは、愛する力のこと」と、つかこうへいは言った

「飛龍伝」・北区つかこうへい劇団


昨日(5日)は、北区つかこうへい劇団『飛龍伝』を観劇。
つかこうへい氏が亡くなって最初の劇団公演。

思えばつかさんに最初にインタビューをしたのが、
『飛龍伝・神林美智子の生涯』刊行のときだった。

この『飛龍伝』、以前にも観たことがあるのだけれど、
あまりにも切ない。観るたびに涙がこぼれてしまう。

全共闘40万を率いる神林美智子委員長と、
それを弾圧する機動隊隊長・山崎一平の恋愛。

現代版『ロミオとジュリエット』と位置づけられる
この作品は、時代とともに形を変えて演じられ続けてきた。

その作品がつかさん亡き後、どのように作られるのか、
期待半分、不安半分という心持ちで劇場へ。

でも、そんな思いはオープニングから吹っ飛ばされた。
セリフも演出も、つかイズムが横溢していた。
休憩なしの2時間半、満員の観客を魅了し続けた。
僕は最初から最後まで滂沱の涙、涙、涙……。

浜田省吾、長渕剛、アルフィーにチャゲ&飛鳥ときて、
とどめに早稲田の校歌を流すなんて……。

(反則すぎるよ、つかさん(笑)……)


最後に、生前のつかさんが語った「夢」を……。

「夢は何かと聞かれれば、一組でも愛し合う男と女がいれば、
地球は滅びないし、原爆のボタンを押すこともない。
本当に愛し合う一組がいなくなった時、地球は滅びるだろう
という壮大なテーマを描いていくことなんだと答えるな。

作家の才能とはなにがなんでも
ハッピーエンドにする力だと思うんだ。

現実はいまなかなかそれをさせてくれない。
でも、そういう現実に抗い、
少しでも事件を起こそうとしている人間がオレの芝居を見て、
思いとどまったというようなことになればいいんだと思うんだ。

そのハッピーエンドの形が決まるまでは
まだまだ作り続けなければならないと思う」
(『つかこうへいの新世界』・クレイヴ出版より)


shozf5 at 12:39│Comments(1)TrackBack(0) 映画、音楽、そして本 

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この記事へのコメント

1. Posted by あすなろ   2010年11月12日 02:55
お疲れ様です。

たぶん、つかさんは今頃、
「俺に酔ってる長谷川って作家がいるんだ」
と天国で語り、
「奴なりの謎に挑戦してほしいんだよなぁ」
と、おっしゃっているはずです。

つかイズムなどというフレーズを常々使う骨太なライターは長谷川さんにいない。
だから、長谷川さんはつかさんとサシで飲んだ落し前をつけて下さい。

応援しています。

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PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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