2008年05月25日

スッピン鑑賞権は、そんなにすごい権利なのか?


明日の旅立ちの前に、日本食を堪能しようと、
先週の土曜日に初めて訪れた小料理店に行く。

レバ刺しやイカの塩辛などとともに、
日本酒を呑んでいた。


しばらくして入ってきた、男女2人組。
女性は近所に勤めていると思われる20代のケバイ女性。
男性は作業着を着た、30半ばぐらい。


おそらく出勤前の同伴なのだろう。
男性が一生懸命、気を遣いながら、

「好きなものを何でも頼めよ!」

と大声で騒いでいる。


男性の酔いは早い。


1時間もしないうちに、呂律はメロメロ。
女性の肩を抱き、女性ちょっと迷惑そう。


男性が意を決したように、女性に言う。



「今度、マキちゃんのスッピンを見せてよ!」



で、僕はマキちゃんの顔を見る。
確かに、念入りな化粧が施されていて、
その原形は不明だった。


でも、彼の本心も男として理解できる。


(一緒に朝まで過ごそうよ……)


おそらく、そんな意図が込められているのだろう。
でも、女性はしたたかだった。


「じゃあ、明日の競馬で万馬券を取ってくれる?」


僕は競馬をやらないから事情はよくわからない。
けれども、その彼はキッパリと言い切った。


「……わかった。ムリかもしれないけど、全力を尽くすよ。
 でも、オレも頑張るから、約束は守れよ!」


万馬券を取るには「全力を尽くす」必要があるのか。
そして、そうまでして「スッピンを見る」ことに価値があるのか。


「スッピン鑑賞権」をかけた、彼の戦い、ぜひ応援したい。


でも、彼は彼女の肩を抱きながら、ひと言。


「でも、マキちゃんはスッピンでもかわいいよ」


そのひと言を受けてなお、彼女は鼻で笑っていた。


「どうも、ありがと」


いろいろ勉強になった中野の小料理屋でのひと時だった。







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PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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