2008年02月29日
『エレクトラ 中上健次の生涯』を読む

ここ2日、読書三昧。
取材を終え、プールで泳ぎ、軽く呑んで、
朝まで本を読み続ける。
今朝方読了したのは『エレクトラ』。
高山文彦氏による、作家・中上健次評伝。
こちらも読みたいと思いつつ、買ったままだった本。
400ページを超える大作だったけれど、
日が昇る前に読み終えることができた。
被差別部落出身であり、3人の父を持つ複雑な家庭環境、
兄の自殺などの、さまざま状況を抱えつつ、
作家として独り立ちし、芥川賞を獲り、
そして死んでいくまでを描いた大作。
編集者と健次とのやり取りが印象的だった。
「梅干をしゃぶると、最後は硬い種の殻に当たる。
あなたの小説はその硬い殻に当たっているけど、
まだそこまでなんだよ。
殻をかち割ると、なかから真っ白い核が出てくるだろう。
その核が見えないんだ。
小説を書く人間なら、殻までは誰だって書くことはできる。
核を突き破るかどうかが、
本物の作家になるかどうかの境目なんだから、
割ってくれなきゃ困るんだ。
おれはあなたが殻を割る瞬間をずっと待っているんだよ」
