2007年08月10日

粋 第12回 〜はとバスで、東京を散策する!!〜


久々の『粋』です(笑)。
今回のテーマは、はとバスツアー巡り。

改めて読み直して思った。


(「仕事」のフリをしながら、完全な「遊び」だな……)


この回も、かなり楽しかったことを覚えている。

さて、『粋』の残りは、この回を含めて、あと4回。
しばしのご辛抱のほど、よろしくお願いします(笑)。


01.10





第12回

東京だよ、おっかさん、はとバスだよ、おとっつぁん

はとバスで、東京を散策する!!

花の都、大東京。東京に生を受け、東京で暮らすこのオレだが、
東京のすべてを知り尽くしているわけじゃない。
当然、修学旅行で東京を見学したこともないので、
東京タワーも皇居も国会議事堂もきちんと見たことがない。
オレは東京を何もわかっちゃいない、エセ東京人なのだ。
そこで、そんなインチキペテンサギ野郎から脱出するために、
オレは、はとバスで東京再発見を試みることにした。
そしたら、まんまとはとバスの魅力にやられてしまった。
そこで今回のテーマは、はとバスで東京を散策しよう、だ!


見ているだけで楽しい、はとバスのパンフレット

昔、長渕剛が歌ってた。
「死にたいぐらいに憧れた、
東京のバカヤロォォォォォォーが……」と。

「死にたいぐらいに」憧れられる街・東京。
大阪には大阪の、名古屋には名古屋の魅力があるように、
東京には東京の魅力があるはずだ。
でも、灯台下暗しというだろ、
近くにいると見えない、気づかない、わからない。

東京に暮らすオレが考える東京の魅力とは?
で、よくよく考えてみた。オレの知ってる東京って、
酒場と球場といくつかのプロレス会場ぐらいじゃないのか。
そりゃ、答えが出るはずがない。

そうだ、東京を知ろう!

そう思い立ったオレは東京観光ガイドを買ってみた。
すると、地名は知ってるし、
仕事で行ったこともある土地なのに、
そこの名所、名物、名産何も知らなかったりする。

東京を知りたい。
東京再発見予備校があったらすぐにでも入学したい。
そして、東京人偏差値を70位にしたい!

そんな思いを抱いていたオレに
H編集長から命令が下った。

「オイ、雪之丞! 今月の粋は、
はとバスで行け! わかったか!」と。

まさにグッドタイミング。
そうだ、はとバスなら効率よくたくさんの場所を回れる。
しかも、かわいい(かどうかはわからんが)
ガイドさんの解説つきだ! 

さっそくオレはインターネットで「はとバス」を検索。
ホームページにアクセス。
すると、あるわ、あるわ、魅力的なコースのてんこもり。

半日で都内を観光する、昼のコース、夜のコースや
一日コース。一例をあげよう。

「浅草・柴又・とげぬき地蔵(下町門前まちめぐり)」、
「東京湾ぐるり周遊 シーサイドライン」、
「隅田川下りと浅草」、忠臣蔵ゆかりの地を巡る
「講談師と行く 花のお江戸」などなど。

ホームページだけでは物足りず、
すぐに、はとバスの新宿営業所に出向き、パンフをゲット。
ホントに見てるだけで楽しい。

東京タワーや雷門、レインボーブリッジに屋形船、
東京ディズニーランドに東京ドームなど、
なんてことはない風景写真なのに
ドキドキワクワクビンビンしてしまう。

悩みに悩み迷ったあげく、
ついに三つのコースを選び出した。

一つ目ははとバスの大定番、「東京一日(C)」、
二つ目はビール呑み放題の「江戸の風流 屋形船」、
三つ目は外国人のための歌舞伎鑑賞コース
「KABUKI NIGHT」だ。


盛りだくさんすぎて腹いっぱいの東京一日コース

お盆真っ只中の八月のとある月曜日。
「東京一日(C)」コースは
東京駅丸の内口から朝九時半出発。

コース内容は、皇居前広場(40分)
→国会前→迎賓館前→表参道→新宿新都心
→新宿住友ビルにて昼食(60分)→靖国神社
→浅草観音と仲見世散策(50分)→お台場散策(70分)
→東京タワー見物(50分)というもの。

読んでるだけで腹いっぱいになるだろ。
元来、人の都合に合わせるのが嫌いで、
集団行動がイヤでしょうがないオレに
団体旅行は向いていないと思っていたが、
旗を片手に先導するガイドさんのあとを
ゾロゾロと歩くのも修学旅行気分で悪くない。

皇居前、二重橋もいつも車で通るけど、
玉砂利を踏みしめたのは初めてだった。
国会図書館には何度も足を運んでいるのに、
議事堂は初めて。
建設に17年の歳月がかかったなんて、
かわいいガイドさんの解説つき。

新宿住友ビル51Fのレストランで
ビールを呑みながらみる眺望もなかなかだった。

小泉首相が参拝した日に靖国神社を見たし、
以前の『粋』で行った浅草にも行った。
でも、お台場ではフジテレビの大混雑を尻目に
お台場海岸でのんびり過ごす。

しかし、お台場はいただけない。
インチキ度満点の自由の女神や
切符を買うのに大渋滞のゆりかもめ。
入場料をとって自社を観光地化するフジテレビ。
何だかすべてがいけすかねぇ。まぁ、いいや。

そして最後は東京タワー。
のんびり眼下に広がる東京全域を見、
蝋人形館で、全然似てない長嶋茂雄や
拷問に苦しむ人形も見た。

解散は午後五時半。ある意味、八時間の強行軍。
肉体的に疲れたけど、この日はまだまだ終わらない……。


お楽しみはこれからだ、の夜の風流、屋形船

午後五時半に東京駅丸の内口で解散した
「東京一日(C)」コース。
しかし、旅はまだまだ終わらない。

そのまま午後六時四十分から、
「江戸の風流屋形船」コースに突入だ。

この連載をやっていていつも思うのだが、
何事も過剰でおさえることができない性癖があるオレだが、
一日に二つのコースを体験することがはたして粋なのか、
疑問は残るがまぁいい。とにかく屋形船だ。

バスは東京駅を出発し、門前仲町から
ほど近い乗り場から船は出る。
人気コースだけあって、100人ほど入る船内はほぼ満席。

テーブルにはすでに刺身や串焼きなどが
セッティングされている。ガイドさんに案内され、
イラストのMさんとともにとなりの席の人にごあいさつ。

池袋在住の50代夫婦とアメリカから
一時帰宅している男女一組
(夫婦かどうか定かではない。たぶん理由アリ)と
オレたち2人の6人でひとつの席を囲む。

お互い自己紹介したりなんかして時間が過ぎる。
ビールは呑み放題。遠慮なくいただく。
昼にはいけすかねぇ、と思えたお台場も夜は静かでいい感じ。

と、船の先頭で何やらひと悶着。
何事かと見ていると、ビデオ撮影に夢中の老人が危ないからと、
ガイドさんに止められている。
制止を振り切るジイサン。
らちがあかないとガイドさんも引き下がる。
で、そのスキをついて近づいてみる。

「ずいぶん熱心ですね」というオレの問いには無言。
左手に見えるフジテレビ本社の夜景を撮影中。

「どっから来たんですか?」「山口県」。
「ご職業は?」「農業」。
「お年は?」「78」。全部一問一答。

でも「写真を撮ってもいいですか?」と聞くと、
「うん」と言って、Vサイン。
撮影好きのジイサンだった。


そして最後は初体験の「KABUKI」なのだ!

一日中、東京を巡り、夜の屋形船でしこたま呑んだオレは
疲れと酔いで、死んだように爆睡した。

そして迎えた翌々日、はとバス巡り第三のコース
「KABUKI NIGHT」に挑んだ。

このコースは外国から来た観光客や
留学生向けのコースで、ガイドさんも英語で案内する。

で、日本文化を伝えるべく
歌舞伎や秋葉原(!)を回ったりする。
この日の参加者はインド系、ヨーロッパ系など全15名。

オレの目論見としては、参加者達と国際交流をしたいと
思っていたのだが、すぐに食事、そして歌舞伎座へ、
というものだった。
歌舞伎座でもみんなと離れ離れで、
しかも現地解散だったので、まったく
客同士のコミュニケーションが取れぬまま終わってしまった。
ちょっと拍子抜け。ガッカリだ。

でも、初体験の歌舞伎はなかなかよかった。
以前からこの連載で取り上げようと思いつつ、
二の足を踏んでいたのだが、
一流のエンターテインメントとして
伝統と新しいものとが見事にマッチしていた。
なかなかいいものを見た満足感でいっぱいだった。

が、歌舞伎を語るのはまた別の機会に譲るとして、
今回、早足で、はとバスツアーに参加して思ったことを書く。

屋形船の帰り際、例の、撮影好きの
パパラッチジイサンがいった言葉が忘れられない。

「東京っていい街だね」

御意。まさに御意にござる。

オレも酔った頭で「東京って楽しいな」と考えていた。
山口から来た農業従事の78才のジイサンから、
31の野球好きのインチキライターのオレ、
渋谷のギャル、表参道のオシャレさん、
おそらく新宿のホームレスまでも魅了する街、東京。

東京はいい街だ。「住めば都」の言葉じゃないが、
自分の生まれた街や住む街は
すべからく「いい街」だ。愛せよ、己の街を。

自分の街を心から愛せるようになった今回、
久々の充実感あふれるクエストだった。
さて、次は何をテーマに「粋」を探してみるか、
探求の旅は続く。



はとバスとは何か?

「内外人を対象トシテ、内は国内観光ニ新時代的ニシテ快適ナサービスヲ供スル(中略)、外ハ国際観光客ニ対シテ本事業ヲ通ジテ、新生平和日本ノ真ノ姿ヲ紹介…」と崇高な理念を掲げて1948年に蠅呂肇丱垢魯好拭璽函0文紂東京の多様な側面をさまざまなコースを案内し人気を博す。当初の理念通り、外国人観光客用のコースも充実。乗り場も東京駅、新宿駅、上野、浜松、有楽町など多数。現在、定期観光のコースも100前後あり大充実。年間の利用者数は625091人(2000年度)と東京在住者、地方の人、外国人を幅広くサービスを提供している。


今月のひとこと

何だかんだで楽しかった8月
今月は、屋形船で一杯呑み、歌舞伎を初めて見たのに加え、ディズニーシーに3回行き、神宮でヤクルト戦を観戦し、K−1JAPANでは猪木軍を応援し、つかこうへい渾身の芝居「新・飛龍伝」に感動した。甲子園決勝戦も見たし、夜通しのクラビングなど大充実の一ヶ月だった。こんなに楽しい毎日だと時の経つのも忘れてしまう。いゃあ、幸せな毎日に感謝。でも、楽しい時間の中にもいろいろ悩むこともある。あぁ生きるって大変なのね。では。


雪之丞華之介●ヤクルトの優勝が現実味を帯びてきた。幼少期からの大ヒーロー、若松監督の雄姿を拝むことはできるのか? 恋に恋する31才。








トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by ナンキ   2007年08月11日 01:44
相変わらず、飲んでるね。
懐かしく読みましたよ。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


長谷川晶一著作物
Recent Comments
楽天市場