2015年12月

2015年12月31日

2015年のお礼と2016年のごあいさつ

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2015年もいよいよ暮れようとしています。みなさんにとって、今年はどんな1年だったでしょうか?

僕は今年4冊の書下ろしと1冊の文庫版の計5冊を発売するという、とても慌ただしい1年となりました。4〜5年かけて取材を続けてきたテーマが次々と発売されていき、ようやく肩の荷が下りたような気がしました。

来年3月発売の次回作はすでに取材を終え、構成もほぼ完成しているので、年明けからすぐに書き始めるつもりです。そして、夏に発売予定の新刊もすでに取材が佳境に入り、順調に進んでいます。

他にも、ここ数年取り組んでいるテーマがいくつかあります。それらが完成、発売されるのは再来年以降のことになりそうですが、これからも地道に、そして着実に取材を続け、執筆していくつもりです。

過去3年間続いた大殺界が明ける2016年。少しずつ地歩を固めていきながら、さらなる飛躍を目指して頑張っていく所存です。どうぞ、これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

みなさんにとっても、2016年が素晴らしき一年となりますよう! どうぞ、幸せな年末年始をお過ごしください。

今年1年、どうもありがとうございました。来年もまたどうぞよろしくお願いいたします!



【2015年発売・新刊リスト】











shozf5 at 03:14|Permalink ボーッとしながら考える 

2015年12月27日

『Cawaii!』と、作家・中島京子の蒼き日々



昨日発売された、最新刊ギャルと「僕ら」の20年史 女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉』(亜紀書房)では、直木賞作家の中島京子さんから、帯の推薦コメントをいただいた。

私たちは今までどこにも
属さなかった読者を相手に
しているんだなって気づきました


2010年『小さいおうち』で直木賞を受賞する中島京子さんは、雑誌『Cawaii!』の創刊メンバーの一人だ。『Cawaii!』編集部では、僕とはニアミスだったけど、別々の雑誌の編集者として、同時期に同じ会社に在籍していた。


僕が『Cawaii!』編集部に移動した後、創刊編集長と酒を飲んでいたときに、こんなことを言われた。

「長谷川、タヤマカタイって知ってるか?」


突然、何を言うのかと思いながら、僕は答える。

「作家の……、あの『蒲団』の田山花袋ですか?」

読んだことはなかったけれど、受験勉強の記憶をたどりながら答えた。

「そうだ。よく知ってるな。その田山花袋の『蒲団』をアレンジして中島が小説を書いたんだよ」

一足先に会社を辞めた中島さんがアメリカにわたって、帰国後フリーライターになっていることは知っていた。酒場で何度か同席したこともあって、小説家を目指していることも知っていたので、特別驚きはしなかった。

「その小説がかなり面白いんだよ。あれはかなり良くできた作品なんだ」

……そのときは、それで話題が終わった。けれども、あれから二十年近く経つというのに、このときの編集長とのやり取りはハッキリと記憶に残っている。滅多に褒めない編集長が「よく知ってるな」と発言したのが嬉しかったからだろう(笑)。

それから、しばらくして中島さんの作品は『FUTON』と題されて店頭に並んだ



僕はすぐに購入して一気に読んだ。上から目線の発言だけど、見事なデビュー作だと思った。その後、次から次へと話題作を発表し、多くの文学賞を受賞。一気に人気作家の仲間入りを果たした。

そして、2010年。『小さいおうち』が発売されたときにもすぐに買って読んだ。そのときに、「映像化されそうないいお話だな」と感じた。そして、見事に直木賞を獲得。しばらくして、あの山田洋次監督が映画化すると聞き、「当然だよな」と納得したことを覚えている。


今回、『Cawaii!』の物語を執筆するに当たって、どうしても中島さんに当時の思い出を聞きたいと思った。

(ひょっとして、中島さんはあの時代のことを話したくないのかも……)

何だか知らないけれど、勝手にそんな不安を抱きつつ、取材のお願いをするとアッサリと快諾していただけた。駆け出しの後輩に対する気遣いだったのかもしれない。

そして、お話を伺うと、当時の生々しい心境が語られ、卓見も随所に発揮された。特に、「あの雑誌は《郊外》を発見したのだと思う」という発言には、深く納得した。

それまでの既存の女性誌が扱っていた、銀座や青山、代官山ではなく、栃木のコなら上野、飯能のコなら池袋など、都内近郊の読者たちのリアルな情報を拾うことで、『Cawaii!』は草の根的な誌面作りが可能になった。「それが読者たちの共感を得たのでは?」という発言だった。

他にも、「雑誌」という概念の変容について、現在のSNSと『Cawaii!』との関係について……、本書執筆において、参考になる言葉がたくさんあった。

中島さんにお話を聞いてから、発売までに2年もかかってしまった。「長谷川クンは結局書けなかったのかな?」と心配されていただろう。ようやく完成のご連絡をすると、「ご苦労さまでした。楽しみにしています」とねぎらいの言葉をもらった。

このギャルと「僕ら」の20年史では、若き日の中島さんの迷いや葛藤にも触れた。本書は直木賞作家の蒼き日々の奮闘の物語でもあるのだ





shozf5 at 13:12|Permalink 執筆、執筆、執筆…… 

2015年12月26日

今年は書きに書きまくって、5冊を出版!

2015年も押し迫ってまいりました。年内に書かねばならない原稿もすべて書き終え、つかの間の休息に浸りながら、ノンビリと過ごしています。

さて、今年は書下ろし新刊4冊、以前出版したものの文庫版1冊、合計5冊を出版いたしました。


ここ数年、九州地方を中心に積極的に取材を続けてきたのが、太平洋クラブ、クラウンライターライオンズに関する物語です。

『野球小僧』誌での連載を皮切りに、同誌の休刊によって、他社である『ベースボールマガジン』誌に連載が移って、継続連載したものの、編集長交代によるリニューアルとともに連載中断。出版化を諦めつつあったときに、関係者の尽力によって、またまた別の出版社から何とか出版にこぎつけました。

まるで、西鉄から太平洋・クラウン、そして西武へと短期間で移り変わったライオンズそのもののような経緯だけに、ようやく完成した喜びでいっぱいです。


稀代の名レスラー・三沢光晴氏が亡くなって、今年で七回忌を迎えました。期せずして、生前の三沢さんにお世話になった3人が集まり、「何か三沢さんの物語を作りたいね」と話していたことが、トントン拍子にまとまり、「三沢さんの命日である6月13日までに完成させよう」と一気に取材をし、怒涛の如く書き上げました。

出版をご快諾いただいた三沢夫人、そして三沢さんの最期を看取った医師の取材協力なくしては、この物語は完成しませんでした。アクシデントが起きて、救命治療を施し、息を引き取るまで……。関係者たちの生々しい証言を基に、「あの日」を描き、そして、今もなお多くの人々に影響を与え続ける「あの日からの三沢光晴」を描いた物語です。


女子野球日本代表・マドンナジャパンを追いかけ続けて、早くも10年の月日が流れました。昨年、宮崎で行われたワールドカップ(W杯)にも大会期間中、ずっと代表に密着しました。そしてつかんだ、大会四連覇。マドンナジャパンの強さは本物でした。

けれども、なかなか世間の認知度は高まりません。「何とか力になれないか」と考えていたところ、女子野球関係者から、「ぜひ本を出してほしい」と力強く後押しされて、書き上げたのがこの本です。本書発売後も、選手たちが大会会場で販売してくれたり、本当に感謝、感謝、感謝です。

この本には、マドンナジャパン一人ひとりがどんな思いを抱えて野球をやっているのか、どんな人生を歩んできたのかが書かれています。来年2016年は韓国でW杯が行われます。もちろん、僕もまた帯同するつもりです。


2011年に発売された本書。この本によって、僕の物書きとしての人生は大きく変わりました。地味な題材でありながら、多くの人に読んでいただき、「マイナーなものに光を当てることの意義」を改めて認識した次第です。

そんな思い出深い本が、加筆して文庫化されました。それまで面識のなかった若き編集者から突然、「文庫にしませんか?」と連絡が来たときの喜びは忘れられません

この『最弱球団』があったから、今年発売した『極貧球団』が生まれました。実はこの『○○球団』シリーズ、僕の構想では全三部作の予定です。第三弾の発売はいつになるのか? もうしばらく頑張るつもりです。


そして、本日全国発売となったのが、この本です。僕はかつて『Cawaii!』というギャル雑誌の編集者でした。当時、この雑誌は売れに売れまくっていました。女子高生たちは本当にパワフルで、元気に渋谷を闊歩していました。

しかし、僕がこの編集部を去りフリーランスとなった後に、この雑誌は次第に失速を始め09年に休刊します。その知らせを聞いたとき、僕は自分の耳を疑いました。あれだけ元気だった雑誌が休刊するという事実を受け入れることができなかったからです。

そこから、旧知の先輩、後輩たちに話を聞き、この雑誌の生涯と、女子高生カルチャーを描くことを決めました。しかし、思いのほか難航して完成までに6年近くかかってしまいました。

あの雑誌が生み出したものは何だったのか? 女子高生カルチャーとは何だったのか? ギャルはどこから生まれ、どこに行ったのか? そんなことをまとめた本です。



……以上、今年刊行された5冊について振り返ってみました。ジャンルもテーマもバラバラですが、来年以降も自分の気になること、自分が読みたい本を作っていこうと思っています。

来年はすでに2冊の出版が決まっています。数年にわたって、取材を続けているテーマも3本ほどあります。2016年も元気に精力的に頑張っていくつもりです。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!


shozf5 at 19:03|Permalink 執筆、執筆、執筆…… 

2015年12月25日

新刊『ギャルと「僕ら」の20年史』、本日発売です!

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突然ですが、「みちょぱ」って、ご存じですか? 平成10年生まれの17歳。『ポップティーン』の人気モデルで、16歳のときに同誌史上最年少で単独表紙を務めた、現役バリバリのギャルだ。

「街からギャルが消えて久しいけど、どうしてなんだろう?」と思っていたところ、関係者に「かつての正統派ギャルが今も頑張っていますよ」と教えられ、のこのこと会いに行った。

ちなみに、「みちょぱ」とは本名の「美優」と『ワンピース』の「チョッパー」を組み合わせた造語(笑)。

当時16歳の彼女に、当時44歳の僕が単刀直入に聞く。


「ギャルって何ですか?」
「ギャルはどこに行ったんですか?」
「つけま重くないですか?」


僕の幼稚な質問に対する彼女の答えはシンプルで力強い。僕は内心、感動していた。

(何てわかりやすく話してくれるコなんだろう……)

彼女は言う。

「ギャルは見た目だけじゃなくて、中身もギャルマインドじゃなくちゃダメだと思う」

「ギャルマインドって、何ですか?」

「それはね……」

年を食ったバカな生徒に対して、金髪のギャル先生が優しくレクチャーしてくれた。彼女とのやり取りが面白く、内容も示唆に富んでいたので、本日発売の新刊『ギャルと「僕ら」の20年史』において、終章に登場してもらうことにした。

みなさん、「ギャル」って何だと思いますか?


ということで、新刊ギャルと「僕ら」の20年史 女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉』、本日発売です。どうぞよろしくお願いいたします!





shozf5 at 18:52|Permalink 執筆、執筆、執筆…… 

2015年12月22日

新刊『ギャルと僕らの20年史 女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉』、いよいよ発売です!

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かつて一世を風靡した女子高生雑誌『Cawaii!』。最盛期には40万部超の売り上げを誇りながら、2009年に休刊に。かつて僕はこの雑誌の編集者でした。20代の終わりから30代の初めにかけて、ギャルとギャル男たちと仕事をしていました。

20世紀末、女子高生カルチャーは百花繚乱の時期を迎えていました。コギャル、チョベリグ・チョベリバ、ルーズソックス、カリスマ、エンコー(援交)……。流行語大賞には彼女たちを取り巻くさまざまなフレーズがノミネートされました。

本書は渋谷発の熱いカルチャーとあの雑誌にかかわった編集者たちの群像劇です。人気読モたちやカリスマ店員たちはもちろん、4人の歴代編集長と、浜崎あゆみから絶大な信頼を得ていたものの、若くして亡くなった天才編集者、そして後に直木賞を受賞する女性編集者、そして若かりし頃の僕自身……。

ギャルカルチャーの物語であると同時に、雑誌カルチャーの物語であり、編集者たちの情熱の物語でもあります。いよいよ、今週末から書店店頭に並びます。どうぞよろしくお願いいたします!




shozf5 at 16:08|Permalink 執筆、執筆、執筆…… 

2015年12月10日

12月に、新刊が2冊発売されます!


2009年から取材を始めていた雑誌『Cawaii!』にまつわる物語。ようやく完成、出版の運びとなりました。

ギャルと「僕ら」の20年史
女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉


かつて、一世を風靡した雑誌『Cawaii!』。95年の臨時増刊発行から09年の休刊までの14年間の物語。あの当時、編集者たちはどんな思いで、この雑誌を作っていたのか? あの当時、本当に元気だったギャルやギャル男たちは何を考えていたのか? 当事者たちの証言からあの時代を振り返りつつ、「ギャルはどこに行ったのか?」を解き明かしました。

以下、アマゾンの「商品紹介」からの抜粋です。

世界共通語「カワイイ」はここから生まれた! コギャル、読モ、ガングロ、ルーズソックス、 アムラー、109、ミージェーン、カリスマ店員、 プリクラ、浜崎あゆみ、板野友美―― “失われた20 年" の記憶をたどる旅!! 初代編集長から4代にわたる男性編集長と、 当時 Cawaii! 編集部員だった著者自身の歓喜と苦悩、 そして女子高生モデルやカリスマ店員の駆け抜けた時代を リアルな筆致で描き出す群像ドラマ!



なぜ、僕が「ギャル」なのか? 実は僕はかつて、この雑誌に少しだけ関わっていました。40万部強の部数を誇っていた全盛時代、20代だった僕もまた、この雑誌の編集部で奮闘していました。だからこそ、後の休刊には言葉を失うほど驚きました。

そこで、かつての先輩、後輩、仕事仲間たちを訪ね歩いて、この雑誌の遺したもの、果たせなかった夢、どうして休刊となってしまったのか……。取材を通じて強く印象に残ったのは、若くして亡くなった「天才編集者」の雑誌にかける執念のような思いでした。彼の遺したページを振り返りつつ、彼が生きた証を記録したつもりです。

そんなことをまとめた物語です。どうぞよろしくお願いいたします。


また、本日から以下の新刊も発売されます。
こちらは、単著ではなく、共著となります。僕は、今季限りで引退した前日本ハム・木佐貫洋氏の物語を書きました。丁寧に受け答えをする木佐貫氏の誠実な態度がとても印象的でした。こちらも、どうぞよろしくお願いいたします。


shozf5 at 11:01|Permalink 執筆、執筆、執筆…… 
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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