2011年09月

2011年09月29日

きれいな日本語にあいたくて……〜『日本のコピーベスト500』を読んで〜

日本のコピーベスト500
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最近、時間ばかりあるので(笑)、古い本ばかり読んでいる。
『堕落論』など、坂口安吾を手にしたのは20年ぶりぐらい。
太宰治『人間失格』なんて、ストーリーもすっかり忘れてた。

近現代の日本文学ばかり読んでいたら、
何だか無性に「新しい言葉」に触れたくなった。
で、深夜までやってる本屋で見つけたのがこの本。

日本を代表する(と言われている)10名のコピーライター、
CMプランナーたちが投票して選ばれたベスト500を一挙紹介。

アマゾンのレビューにも書かれているけれど、
時代性を強く反映するCMコピーなのに、
それが登場した時代がいつなのか、
まったく判然としないという欠点はあるものの、
それでも、コピーの持つ強さや美しさは堪能できた。

それにしても(おそらく)80年代の糸井重里氏の仕事はすごい。
質量ともに、現在につながる地平をさまざまに開拓している。
と言いつつ、お気に入りは糸井以外のものが多かったけど。

僕が気に入ったのは、眞木準氏のものが多かった。
以下、三点だけ、ご紹介。


「四十歳は、二度目のハタチ」(伊勢丹)


「恋が着せ、愛が脱がせる」(伊勢丹)


「十歳にして
 愛を知った」(ライオンファイル)



でも、やっぱり開高健がとっても印象に残った。


「バスが来た。トリスを飲む。
 山が見えた。トリスを飲む。
 川があった。トリスを飲む。
 女が笑った。トリスを飲む。
 灯がついた。トリスを飲む。
 課長が転んだ。トリスを飲む。
 目がさめた! 家にいた!」(サントリー・トリス)



さて、次は何の本を読みましょうか?








shozf5 at 16:34|Permalink 映画、音楽、そして本 

『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』制作日誌、更新しました!!

田村満氏 (2)

『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』制作日誌、更新しました!!

今回は、「1イニング7与四球」というワースト記録を作った、
ある投手に取材した際の出来事を書きました。


「ワースト記録とともに生きる日々……」


よかったら、ぜひご覧ください!


shozf5 at 10:49|Permalink 『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』関連 

2011年09月26日

『プロ野球[外国人選手]大事典』を読んだ!

野球小僧remix プロ野球[外国人選手]大事典 (白夜ムック)
野球小僧remix プロ野球[外国人選手]大事典 (白夜ムック)
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先日、『プロ野球[外国人選手]大事典』が届いた。

僕も少しだけ原稿を書かせてもらっているのだけれど、
このシリーズは、[80年代]編、[90年代]編、[メジャーリーグ]編が、
これまで刊行されているが、そのどれもが面白い。

基本的に見開き2P(長くても4P)ワンテーマなので、
まさに辞典感覚で、興味のあるところからサクサク読めるのがいい。
で、期待して手にした[外国人選手]編も、やっぱり面白かった。

子どもの頃、丹念に読んでいた『週刊ベースボール』や、
毎晩欠かさず見ていた『プロ野球ニュース』で知った知識は、
大人になっても忘れないし、たとえ忘れたとしてもすぐによみがえる。
この本を手にしながら、そんなことを考えた。

ヤクルトファンとしては、久しぶりに見る「暗黒ガイジン」の名前が、
とても懐かしくもあり、とても切なくもあり、複雑な心境だった。
パラーゾデントン(デントナではない!)、懐かしい〜。

そして、あぁ、アイケルバーガー……。
読者アンケートによる「記憶に残る外国人」で20位だったのも笑える。
ヤクルトファン芸人ゆっていは、アイケルバーガーを1位にしてた!

彼の本名が、ホアン・タイロン・アイケルバーガーというのも、
本書を読んで、22年ぶりに思い出した、どうでもいい事実(笑)。

30代以上の人なら楽しんで読めると思う、オススメです!


shozf5 at 18:17|Permalink 映画、音楽、そして本 

2011年09月25日

三度目の『象が空を』、そして、蒼き独白……

夕陽が眼にしみる―象が空を〈1〉 (文春文庫)
夕陽が眼にしみる―象が空を〈1〉 (文春文庫)
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最近、とみに眠りが浅い。だから呑む。
5時頃まで呑んで、床に就いても昼前には起きてしまう。

今週、新刊が発売されたばかりだし、
本来なら次の本も執筆を終えている予定だったから、
元々、この時期は遅い夏休みとしてどこか海外に行こうと思っていた。
でも、原稿を書き直すことにしたため、旅行は取りやめた。

だから、仕事は特別忙しいわけじゃない。
だったら、すぐに書き直す作業に取りかかればいいものを、
まったく筆が進まない。
というより、何を書けばいいのかまったくわからない。

だから、ついつい呑んでしまう。
これはアルコール依存症の初期段階なのだろう。

先週は、新刊発売記念として、いろいろな人に祝福されて呑んだ。
元々、酒好きだし、酒癖が悪い方ではないと自認しているけれど、
みんなと別れて一人になると、突然、投げやりな思いになってくる。

元来、湿っぽい酒は嫌いだし、愚痴まみれの人と呑むのは嫌い。
なのに、一人になると、どうもそんな心境に支配されてばかり。


……病んでるね(笑)。


積極的に人に会いに行くのも億劫だし、
映画を見るために人混みに出るのも面倒で、
それでも、酒場と神宮球場にだけは一人で出かけて。

そんな感じでここ数週間を過ごし、
きっと、これから数週間もそんな感じなんだろう。


さて、病み病みの前置きはこれぐらいにして、ようやく本題。

呑みに出る以外、外に出るのが億劫なので、
何も書けない代わりに、何かのヒントを探すべく、
古い蔵書ばかり読み続けている。

特に、最近立て続けに読んでいるのが沢木耕太郎の作品群。
その中でも印象に残ったのは、『路上の視野』『象が空を』

この2作品は、いずれも氏のエッセイを集めたもので、
映画や書物の感想、日々の雑感、旅の断片に加えて、
「なぜ書くのか?」「どう書くのか?」が率直に書かれている。

僕がこれらの本を読むのは、今回が3回目。
いずれも最初に読んだのは学生の時期。
『路上の〜』は高校生の頃、『象が〜』は大学生の頃。

2度目に読んだのは、いずれも2003年の夏。

このとき、僕は会社を辞めた。
目の前に広がる膨大な時間に喜びと怖れを感じつつ、
ニューヨークや韓国、沖縄に旅立ち、
カバンの中に、沢木氏の著作を入れて旅先で読んだ。

そして、今回が3回目。

前回読んだ際に、僕はさまざまな付箋を貼っていた。
その個所はいずれも、ノンフィクションライターとしての氏が、
日頃、心がけていること、腐心していることばかりだった。


それはたとえば、こんな個所だ。

インタヴューには、相手の知っていることばかりでなく、
「知らないこと」まで喋ってもらうという側面が明きらかに存在する。
そんなことをいうと、知らないことなど喋れるはずがない、
と反論されるかもしれない。

だが、質問を投げかけられることで、
その人が自分でも意識していなかったことを
自身の内部に発見して喋ったり、
思いがけないことを口走ったりするということは、
必ずしも稀なことではないのである。



あるいは、「本来、人はインタヴューに応じなくてもいいのだ」という
指摘をしている、こんな個所もある。

会ってくれなくて当然、かりに会ってくれたとしても、
すべてのことに誠実に喋ってくれなくても当然なのだ。

しかし、にもかかわらずインタヴューに応じてくれる人たちがいて、
思いがけないほど深い反応を示してくれる人たちがいる。

それは恐らく、インタヴュアーの背負っているメディアの力以上に、
インタヴュアーの、その人を、その事件を、
理解しつくしたいという情熱に感応するためではないかと思うのだ。



さて、今回。

以前は付箋をつけなかったけれど、印象的な一文に出合った。
これこそ、僕が現在悩んでいたことだった。

それまでのルポルタージュに不満を抱いていた沢木は、
その原因が、書き手の顔が見えないこと、
つまり書き手である「私」がどんな人間なのか、
その事象を前にしたときに、笑顔のか渋面なのか、
そうしたことがはっきりと伝わらないからだと気づく。

そして、目指したのが以下のスタイルであり、
やがては、そのスタイルからの卒業だった。

私は、文章の中の生き生きとした「私」の獲得に全力を注いだあげく、
やがてその「私」に中毒するようになり、
今度はいかにこの「私」から脱していくかに
腐心せざるを得なくなった。



僕は今、書き直しに直面しているこの作品において、
「生き生きとした私」を描くか、それとも消し去るか、
まったく立ち位置を決めかねている。

いや、それぞれの方法論について、何の手立てもないまま、
呆然と立ち尽くしている状況にあるのが本当のところだ。


再び、沢木氏の2冊の本を持って、どこかに旅に出ようか?


2冊とも500ページを超える厚い本なので、
それぞれ3冊ずつに分けられている文庫版を買うことにした。

新刊はもう販売されていなかったので、
古書をアマゾンで買うことにした。明日にでも届くはずだ。

おそらく、現実的には旅に出ることはないけれど、
それでも、フリーになった当初のように、久しぶりに、

「オレは何者にでもなれるし、何者にもなれないかもしれない」

そんな蒼い気持ちを思い返す、心の旅には出てみたい。



shozf5 at 22:37|Permalink 映画、音楽、そして本 

2011年09月24日

『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』制作日誌更新しました!!

小田野柏氏手帳

『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』制作日誌、更新しました!!

「古い手帳から教えられたこと……」

よかったら、ぜひご覧ください!!



shozf5 at 19:31|Permalink 『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』関連 

2011年09月22日

追加取材第一弾は、槙原寛己氏インタビュー!!

不滅 元巨人軍マネージャー回顧録
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槙原寛己の詫び状・感謝状

昨日は、拙著『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』の発売日。
とは言え、浮かれてばかりにもいかず、
発売延期が決定した次回作の取材に台風の中、青山に。

目的は、元ジャイアンツの三本柱の一角、槙原寛己氏取材

次回作の主人公は、ジャイアンツとともに40数年を過ごした、
元マネージャーの目から見た、ジャイアンツ&団塊世代&日本、日本人!!

自分としても、何とも壮大なテーマを掲げ、一応、脱稿したものの、
気合が空回りというか、看板倒れというか、
要するに面白くもなんともない出来となってしまった……。

ということで、発売を来春にずらすことにして、
追加取材を施して、全面的に再構成することにした。
心機一転の第一弾取材として、槙原氏に会いに出かけた次第。


94年5月18日、彼は完全試合を達成する。


この日の2日前に門限破りで「外出禁止1ヵ月」の
ペナルティを受けていた槙原は、試合前に、
「外出禁止1ヵ月は納得いかない」と申し出て、
見事に完全試合を達成し、ペナルティ解除となった。


時が流れて2001年9月30日。
この日、槙原は現役を引退する。


現役最終日のこの日、彼は、
完全試合のスコアブックのコピーに次のようにしたためる。


「門限破り二日後、迷惑おかけしました。
 ありがとうございました。槙原」
 ※上記の写真がそれ!!


今回の本の主人公は、槙原にペナルティを与えた人物でもある。
現役最終日に、槙原は詫び状兼感謝状を、彼に渡したのだった。


昨日は、この辺りのエピソードを中心に、
「選手から見た彼の印象」について語ってもらった。

想像通りの一面もあれば、意外な一面もあった。
いずれにしても、追加取材をした意味は十分あったと思う。

まだまだ、再構成の道は始まったばかり。
けれども、シーズン中ゆえに取材できなかった、
あの人やこの人など、追加取材を行いたい人はたくさんいる。

彼らの話をできるだけ加えて、より多面的で、
より中身の濃い物語を作っていきたいと思う。

不滅 元巨人軍マネージャー回顧録
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shozf5 at 15:09|Permalink 取材・インタビュー…… 

2011年09月21日

『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』PV完成しました!



本日21日、拙著『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』発売です。
ということで、先日完成したネットCM用のPVを公開します!

企画を思いついてから、取材開始、雑誌連載、
そして書籍化決定後の追加取材&大幅加筆。
出版社や編集者の人たちから多くの激励を受けたこと。
そのすべての行程にさまざまな思い出がいっぱいあります。

取材を通じて知り合った70代後半〜80代の元選手たち。
みな「それぞれのその後」を生きつつ、
約60年前の青春の日々を熱く語ってくれました。

執筆中に亡くなってしまった方もいます。
妻に先立たれ、施設に入った方もいます。

完全に歴史に埋もれてしまった高橋ユニオンズというチームを、
何とかきちんと掘り起こすことができないか、
目の前のご老人達の青春を描くことができないか。

そんな思いで書き上げた一冊です。
ホントに地味なテーマかもしれません。
……いや、地味なテーマです(笑)。

それでも、ぜひお手に取っていただければ嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。

最弱球団 高橋ユニオンズ青春記
最弱球団 高橋ユニオンズ青春記
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shozf5 at 00:00|Permalink 『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』関連 

2011年09月20日

『女子かしまし物語』で、爽快な目覚め(笑)


今朝は8時から、昨日の原稿の推敲作業しようと思っていたら、
頭の中をモー娘。の『女子かしまし物語』がエンドレスで流れ続け、
結局、6時ぐらいに目が覚めてしまった。

最近、この曲ばかり聴いているからかな?
これだけ賑やかな曲が脳内を流れ続けてたら、
イヤでも目が覚める。

予定より早く起きたおかげで、9時前には推敲作業も一段落。

さぁ、午後から始めようと思っていた懸案の作業に取り掛かろうか。
今日は、地味に1日頑張ります!


shozf5 at 10:39|Permalink 執筆、執筆、執筆…… 

2011年09月19日

『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』、ネット発売開始!

最弱球団 高橋ユニオンズ青春記
最弱球団 高橋ユニオンズ青春記
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9月21日、拙著『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』が発売されます。
アマゾンなどのネット書店ではすでに発売中とのことです。

現在、書店発売前にもかかわらずアマゾンの野球本ランキングで、
2位を記録中。瞬間最大風速だとは言え、ありがたいことです。

ちなみに1位は、先日このブログで紹介した『野球部あるある』!
知人の本とともに、上位にランキングされていて、素直に嬉しいです!

また、『最弱球団』に関しては、映画の予告編のようなPV
さらに、なぜかイメージソング(笑)まで完成しています!
いずれも、21日以降に正式公開されます。ご期待ください!

また10月にはトークイベントも予定されています。
ほかにも、ラジオCMなどの仕掛けを準備中です。

どうぞよろしくお願いいたします!



shozf5 at 00:28|Permalink 『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』関連 

2011年09月18日

芝居『キダリダ』に胸を打たれる!

キダリダ!

最近知り合って、なぜだか異常に気があって、
呑み方も同じタイプという演技者の先輩がいる。

たぶん、お互いに人見知りで、ホントは寂しいくせに、
酒が入らないと、本音を晒せないというところが似ているのだと思う。

その人が出演するというので、昨日(17日)、
新宿まで『キダリダ』という芝居を見に行った。

「キダリダ」とは韓国語で「待つ」という意味なのだけれど、
大阪の下町、在日韓国人の世界を舞台に、
友情と愛情をきちんと描いた、習作だった。

つかこうへいの描く「在日」とはまた違う、
大阪の下町ならではの生々しさとエネルギーが、
この芝居には横溢していて、パワフルで心地よかった。
原案・企画の白国秀樹氏の芝居も素晴らしかった!



最近「執筆に忙しい」という理由で、芝居にも映画にも、
書物にもほとんど触れる機会をなくしていた。

見に行っていない試写状もかなりあるので、
今週辺りからマメに足を運んでみようかな。

発売延期になった新刊も、いまだ光が差さない。
何かいい刺激を得られればいいのだけれど……。


『キダリダ』、ホントにおススメです。
お時間のある方は、ぜひ。
(東京は明日の昼公演が最終だけれど……)


TEAM O.H.S 公演

『キダリダ』


原案・企画 白国 秀樹
脚本・演出 八鍬 健之介
監修 かわの をとや



*日時・場所*
・東京公演
2011年9月14日(水)〜19日(月)
@新宿SPACE107
・大阪公演
2011年9月23日(金)〜25日(日)
@大阪ABCホール


*タイムテーブル*
東京公演@新宿SPACE107
14日(水) ――  19:00
15日(木) ――  19:00
16日(金)※14:00 19:00
17日(土) 14:00 19:00
18日(日) 14:00 19:00
19日(月) 13:00
*前売4500円/当日4800円
(日時指定・全席自由)
※昼割3800円

大阪公演@大阪ABCホール
23日(金) ――  18:00
24日(土) 13:00 18:00
25日(日) 13:00  
*前売3800円/当日4000円
(日時指定・全席自由)


*キャスト*
白国 秀樹
松井 宗但
松下 卓也
伊藤 竜次
中里 隆成
瀬戸 早妃
工藤 里紗
武井 睦
三野 友華子
中島 一浩
中谷 中
中村 裕之
小栗山 晃市
星野 雄大
新井 幹久
柾木 ユウヒロ
池谷 太郎



shozf5 at 20:11|Permalink 映画、音楽、そして本 

2011年09月16日

王さんインタビューの興奮と感動!

DSC_0078

一昨日(14日)、福岡・ヤフードームで王貞治氏のインタビューをした。
一日置いたにもかかわらず、いまだその心地よい余韻の中にいる。

現在進めている新刊の意図を十分理解してくれていた王さんは、
「話していると、だんだん思い出すね」と当時の思い出を語ってくれた。

聞きたかったポイントはいくつかあった。
その中でも、最初に聞きたかったのは次のことだった。


1975年1月17日――。

この日、スポーツメーカーに勤務していた若者が結婚式を挙げた。
若者は、ダメでもともとで王さんを結婚式に招待した。
実は、この日は阪神の主砲だった田淵幸一の結婚式でもあった。
もちろん、球界を代表する王さんにもその招待状は届いていた。

このとき、王さんのとった選択は、

初めに田淵氏の結婚式に少しだけ顔を出した後に、
ゆっくりとその若者の結婚式に出席するという道だった。
このとき、王は当時の番記者にこう言ったという。

「田淵君の結婚式は、オレが出席しなくても、
多くの人たちが祝ってくれるだろう。
でも、彼みたいな裏方さんの結婚式こそ、
きちんと出席して祝ってあげなきゃいけないんだ」


あまりにも、「らしい」発言だった。
このときの心境について、改めて王さんにその思いを聞きたかった。

僕は質問を切り出した。

「彼の結婚式の日は、田淵さんの結婚式でもありました。
そこで王さんは、はじめに田淵さんの式に出席した後に……」

そこまで言うと、王さんは僕の質問を遮るように口を開いた。


「でもね、裏方さんの結婚式こそ、ちゃんと出なきゃいけないんだよね」


……まさに、僕が聞きたかった言葉だった。

あれから36年の月日が流れても、裏方に対する
王さんのまなざしは温かく優しかった。

他にも聞きたかったことがいくつかあり、
それらに対しても、僕が聞きたかった言葉、
さらに「世界の王」だからこその言葉が数多く聞かれた。

本当に心地いい空間の中に身を置くことができた瞬間だった。



……普段、取材相手にサインをもらうことなどしない。
だから、同席してくれた編集者が「サインをもらおうよ」と
言ったとき、初めはカッコつけて「僕はいいです」と言った。

でも、彼が文房具屋で色紙を買っているのを見たとき、
「やっぱり、僕ももらいます!」と自然に口が開いていた。

そして、もらったのが上の写真だ。
色紙にペンを走らせているとき、
その部屋にいた誰もが気づいたけれど、
誰も口にできなかった言葉がある。


(……王さん、日付間違ってます……)


インタビューの最後の最後に、今度発売される
拙著『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』を王さんに手渡した。

この本には王さんのゆかりの人物が登場するからだ。
その人物は今年の春に亡くなった。
拙著を手に取りながら王さんは、彼の思い出話を語ってくれた。

「いい人ほど早く亡くなるんですよ……」


ひとしきり思い出話が済み、王さんが部屋から退出する。
その際に、僕に向かって王さんは言ってくれた。


「これから、たくさんいろんな本を書いてね!」


その瞬間、泣きそうになった。
その前日までに新刊の発売延期を決めたばかりだった。
どのように書き直そうか、暗中模索の渦中にあった。
そんな状態で王さんのインタビューに臨んだのだった。

いまだ答えは出ていないけれど、きちんとしたものを作ろう。
王さんの言葉を聞いて、改めて、そんな決意をした。

僕にとって、一生忘れられないインタビューとなるだろう。
取材音源は、絶対に消さないで保存しようと思う。










shozf5 at 16:57|Permalink 忘れられぬインタビュー 

2011年09月15日

『野球部あるある』が、メチャクチャ面白い!

野球部あるある
野球部あるある
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先日発売された新刊『野球部あるある』が届いた。
著者は『野球小僧』編集者の菊地選手。
菊地さんには、日頃からお世話になっているけど、
さすが高校野球部〜大学落研出身者ならではの、
野球部に関するあるあるネタが満載。


以下、三点ほどご紹介。

「俺、外野はできないんだよね」と語る選手は、
内野だってたいしてうまくない。



「グラウンドでは先輩も後輩もない!」
と言われるが、嘘だと思う。



40代以上のOBが必ずする
「水飲めなかった話」。



いい意味ですぐ読めるし、どこから読んでもいいし、
しばらくしてから読んでも何度でも楽しめる。
ランチをとりながら読んだけど、楽しく読めた。

……ということで、ホントにおススメです。












shozf5 at 22:00|Permalink 映画、音楽、そして本 

2011年09月14日

高橋ユニオンズTシャツ完成!

ユニオンズTシャツ!

拙著『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』が、9月21日に発売される。
それを記念して、ユニオンズTシャツが作られることになった。

1954(昭和29)年からわずか三年間しかなかったチームが、
57年の時を経て、平成の世の中でグッズ化されるとは!

現在70代後半から80代前半のOBたちに渡して、
今年のOB会は、おそろいで写真を撮りたい(笑)!

読者プレゼントの詳細は、現在発売中の
『野球小僧』10月号(白夜書房)に出ています。
こちらも、ぜひよろしくお願いいたします。







shozf5 at 00:15|Permalink 『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』関連 

2011年09月13日

念願の王貞治氏インタビュー、そして残念なお知らせ……

野球にときめいて―王貞治、半生を語る
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明日、福岡・博多に行き、王貞治氏インタビューに臨む。
10月発売予定の新刊の最後の取材なのだが、
世界の王にゆっくりと話が聞けるという何とも至福の時を楽しみたい。


……と意気込んでいたのも束の間、残念なお知らせです。


この新刊、10月21日発売に向けて、一昨日原稿をほぼ書き終えた。
ところが、ここ二日、改めて通読してみたところ、どうもしっくりこない。

率直な思いを編集者に伝えると、やはり彼もそう思っていたのだろう、
発売を延期してもいいから、追加取材、全面改稿を認めてくれた。

現時点では、「ここをこうすればよくなるはずだ」という、
おぼろげな光は射し込んでいるものの、
じゃあ、具体的にはどんな取材が必要で、どう書けばいいのか、
正直なところ、ハッキリとは見えていない。

ということなので、いつまで発売延期するのか、
その具体的な日程もよくわからない。

関係各位に多大なる迷惑を書けてしまうけれど、
この恥ずかしい思いとともに、再度、挑戦してみたい。

いろいろお騒がせしてすみません。
改めて、頭を空にして練り直してみます。














shozf5 at 23:02|Permalink 取材・インタビュー…… 

2011年09月10日

我が家にメイドカフェがオープンした(笑)!

黒猫さん


最近、我が屋にメイドカフェがオープンした。

別にメイド好きというわけじゃないけど、それでも
自分の住むマンションにメイドカフェができるなんて、
いかにも中野ブロードウェイらしくてちよっと嬉しい(笑)。

かつてメイドカフェが話題になり始めた頃、
中野ブロードウェイにも3〜4軒オープンしたけど、
今は全滅した(……たぶん。いや、まだどこかにあるのかな?)。

さて、今回オープンしたメイドカフェ。
30分1000円で生ビールが呑み放題だという。
オープン直後は「30分1500円」だったけど、
いきなりのダンピング? それともキャンペーン価格?

……まぁ、いいや。

いずれにしても30分もあれば、生なら3〜4杯は呑める。
2000円払って60分にすれば、普通に呑んでても5〜6杯はいく。
せこい考え方だけど、十分、元が取れるじゃないか。

オープンは13時からだと書いてあるから、
来週辺り、昼食後にビールを呑みに行ってみようかな?

何度か、店の前を通ってみたことがあるけど、
夜は大盛況だったけど、昼はガラガラだった。

昼間から自宅マンションでメイドカフェで、
真っ赤な顔をしながらビールを呑む……。

あんまりカッコいい光景じゃないか……。
でも、いくら酔っても自室まで30秒というのも魅力的。
誘惑に負けてフラフラと行っちゃいそうな気もするな(笑)。

もし行くことがあれば、ご報告します(笑)!


shozf5 at 11:11|Permalink ボーッとしながら考える 
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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