2011年07月

2011年07月31日

あぁ、団塊世代……

団塊世代の戦後史 (文春文庫)
団塊世代の戦後史 (文春文庫)
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次なる書籍の執筆が、いよいよ8月から始まる。
今度のテーマは、青春のすべて、いや人生の大半を
長嶋茂雄に、王貞治に、そして読売ジャイアンツに捧げた男の物語。

団塊世代の彼の人生と巨人軍の栄枯盛衰、
さらには団塊世代の彼の青春から定年を通じて、
日本や日本人の成長、発展、そして挫折を描きたいと考えている。

もちろん、挫折だけの暗い物語にするつもりは毛頭ない。
そこに希望を見いだせるような物語にするつもり。

ということで、団塊世代に関する本を読みあさっているのだけれど、
その中でも、この三浦展氏の著作群はいずれもわかりやすく面白い。

大ヒット作『下流社会』の著者でもある氏の団塊世代に対する、
冷ややかかつ的確な指摘の数々は、
これから始まる執筆の際に、大いに役に立つと思う。

特に、「団塊世代には戦前的な古さと戦後的な新しさが共存している」
という一節に代表される、二面性に対する言及が目から鱗。

どうしても全共闘やビートルズのイメージが強かったけれど、
それは一部の大学進学者やエリートの話であって、
その一方では中卒、高卒で集団就職した人もいっぱいいて、
彼らの中にある伝統的、土着的一面もまた確かにあるわけで。


今回の物語の主人公の姿を重ね合わせつつ本書を読むと、
具体的データ、筆者の考察部分、ともに「その通り」という指摘ばかり。

本格的に執筆を開始する前に、
彼の著作をもう少し取り寄せて読んでみたいと思う。














shozf5 at 02:33|Permalink 映画、音楽、そして本 

2011年07月19日

「最弱球団」、締め切り前日・ユニオンズ取材雑記3

佐々木&前川

またまた、すっかりごぶさたしてしまいました。
この間、Facebookでは、ちょくちょくコメントを残していたので、
個人的には「放置したなぁ」という感じはないけど、
10日以上も、ブログを書かなかったのは今回が初めて。

きっと、今後もそんな感じだと思うので、
よかったら、右のバナーから「友達申請」してください(笑)。


さて、この間、ほぼ仕事場にこもり切りで原稿執筆。
もちろん、9月発売の高橋ユニオンズ書籍の原稿。

締め切りは20日なのだけれど、先週12日にはほぼ書き終えた。
で、この一週間はほとんどが推敲作業の繰り返し。

また、最終章に関しては、どうしても追加取材が必要で、
17日・日曜日に三重県・四日市までトンボ帰り。
(ユニオンズだけに!)。

※蛇足ながら、1955年高橋ユニオンズは、
資金不足解消のために、トンボ鉛筆に名義を貸して、
チーム名を「トンボ・ユニオンズ」としました。


5月30日に急死した伊藤四郎氏のお宅に伺い、
ご遺族にお悔やみ申し上げつつ、
生前の思い出や亡くなったときのことを伺った。

さて、残すは、この最終章のみ。
今日は、これから別件の取材が入っているけど、
それを終えたら、ゆっくりと取りかかるつもり。

予定では20日未明には終わるはず。
そしたら、そのままプチ一人打ち上げをします。

これで、ひとまずはひと安心。

でも、すぐに次の書籍の執筆も始まる。
今年の夏は、どこにも行かずにこもりきりだけど、
9月になって、残暑の頃にでもハジケたい(笑)!

ひとまずの近況報告でした。



























shozf5 at 10:25|Permalink 『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』関連 

2011年07月08日

「スポーツライターの夢」、ジョージ・プリンプトン

img089

ちょっとした探し物があったので資料部屋にこもっていた。
「確か、ここら辺にあったはずなのに……」というところに、
その本はなく、いろいろ探したけど見つからない。

でも、そういうときは必ず、すっかり忘れていたものが見つかる。
で、今日はこんなものが出てきた。

『Switch』1987.02

1987年ということは、僕は17歳。
でも、残念ながら、この号はリアルタイムでは読んでいない。

大学に入学してから読んだから、92年ぐらいに、
学校近くの古本屋で売っていたものを買って読んだはず。

で、卒業と同時に処分してしまったのだけれど、
お世話になっている編集者から、最近この号をいただいた。
彼は、ずっとこの号を手元に置いていたそうだ。

ジョージ・プリンプトンというアメリカのスポーツライターの特集号で、
後に作家デビューを果たす、編集長の新井敏記氏が、
アメリカに赴き、半ば行き当たりばったりながら、
彼にロングインタビューをするのがメイン記事になっている。

紀行文でありながら、ノンフィクションの方法論も描く、
そんな意欲的なドキュメンタリーとなっている。
他にも、沢木耕太郎氏の『王の闇』が再録されてもいる。

学生時代の僕は、この号を特別興奮しながら読んだわけじゃない。
普通の読み物として、むしろ暇つぶし的に読んだ記憶がある。

しかし、先輩にとって思い入れのあるこの号が、
なぜか理由あって、再び僕の手元に戻ってきた。

僕は、自分のことをスポーツ・ライターだと思ったことも、
名乗ったこともないけれど、野球に関する仕事も多いので、
世間的には、しばしばスポーツライターと呼ばれる。

別に肩書きなんて、何でもいいので別に否定しないけど、
ただ「スポーツライター」と名乗ってしまうと、
タレントさんとか職人さんのドキュメントが書きづらくなるので、
曖昧にするために「ノンフィクション・ライター」と名乗っているだけ。


……で、何が言いたいかと言うと、今、これを読もうかどうか、
とっても、とっても悩んでいるところだということ。

明らかに現実逃避なんだけど、一方では「原点に戻って勉強し直す」、
そんな大義名分も浮かんだり、消えたりして……。

ベストな選択は、この本を持ったまま、近くの呑み屋に行き、
呑みながら、読み進めることなんだけど、
今日は、これから懐かしい人との呑みの約束があるので、
その手も使えないなぁ、と。















……グダクダ言ってんじゃねぇよ、
どうせ読むことになるんだから、
とっとと読めばいいじゃねぇかよ!!!!!




今、心の声が聞こえたので、読むことにします。

どうしてこんな言い訳がましいことを書いたのかと言うと、
今日までは単行本執筆に集中しようと思って、
月曜日締め切りの雑誌原稿にまったく手をつけていない、
そんな後ろめたさが、こんな言い訳を書かせるのです。
……ゴメンナサイKクン。駄文につき合わせてゴメンナサイ、みなさん。



今日は朝から懐かしいCDばかり聞いているので、
どうやら過去の懐かしいモードに突入したようだ。

ジム・ジャームッシュ、『ダウン・バイ・ロー』とか、
岡崎京子の『Pink』とか、無性に見たくなってきた。





shozf5 at 17:36|Permalink 映画、音楽、そして本 

2011年07月07日

スタルヒン野球葬の悲劇・ユニオンズ取材雑記2

スタルヒン野球葬請求書 (2)

1957年1月12日午後10時38分――。
史上初の300勝投手・スタルヒンは交通事故で不慮の死を遂げた。
享年四〇。あまりにも早すぎる突然の死だった。

日本帰化を望んだものの、父の犯した殺人事件の影響や、
戦前戦中の混乱期にあって、スタルヒンは終生無国籍のままだった。

戦後、巨人への復帰を願ったものの、
それもかなわず、弱小球団を転々とする。
そしてたどりついた最後の球団が高橋ユニオンズだった。

このチームで彼は史上初の300周を達成した。
それでも、連盟は特別な表彰を行わなかった。

現役続行を望んでいたが、55年オフに引退。
それからわずか一年余りの悲劇だった。

1月20日、史上初の「野球葬」が行われた。
野球界に多大な貢献をした人物だからこその「野球葬」。

先日、当時の資料を整理していたら、
スタルヒンの野球葬に関係する書類が出てきた。


それが、この写真の「スタルヒン野球葬請求書」だ。

差出人は「太平洋野球連盟 総理事 橋本三郎」で、
さらにそこには、
「金 壱萬円也 但し、スタルヒンの野球葬香典」と書かれている。
他に、「花輪代参千円」の請求書も見つかった。

パ・リーグ全球団が平等に経費を負担したのか?
それは現時点では僕にはわからない。

けれども、「野球葬」と言いながら、
実際の経費負担は最後の所属チーム・高橋ユニオンズだったのは事実だ。

自らを「球界の孤児」と自嘲気味に語っていたスタルヒン。
尽くしても尽くしても報われないスタルヒンの思い。
はたしてどんな思いで過ごしていたのか、
そんなことを考えながら、スタルヒンの死について、
先ほど原稿を書き終えた……。




shozf5 at 10:39|Permalink 『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』関連 

2011年07月05日

執筆作業の、「孤独」と「恍惚」!

筒井捕手と投手陣

今週は、ひたすら原稿を書き続ける一週間。
締め切りまではあと二週間ちょっとある。

これまで取材してきたこと、集めた資料の最終確認をして、
原稿を書いては止まり、書いては止まりを繰り返す。

基本的に午前中は、前の日の原稿の推敲を。
午後からは、新規原稿の執筆を。
そして三日に一度ぐらいは、すべてを通して再読を。
そんな感じで、行ったり来たり、行きつ戻りつ。

いろいろな地方に行って、知らない人に会って、
その土地のうまいものを肴に酒を呑んで。

取材作業は、とてもすごく楽しいんだけど、
今取り組んでいる執筆作業は、ホント、寂しい作業。

今週は、他の仕事を何も入れていないので、
きっと、誰にも会わずに、何の会話もせずに、
夕方まで原稿を書いて、夜は神宮で軽く呑んで、
そのまま帰宅して、仕事を再開して、の繰り返し。
そんなに深酒もできないし……。


……アレ、ちょっと愚痴っぽくなっていた(笑)。
これじゃあ、辛くて辛くて仕方ないみたいじゃないか!

いや、イカン、イカン、まことに遺憾。
この執筆作業、孤独ではあるけれど、
これはこれで楽しいんです。

ふとしたはずみに、トランス状態になってしまえば、
気がつけば10時間が経っていたなんてことが、
ホントにあるんです。脳内麻薬恐るべし!

ホントは、ユニオンズ取材時のエピソードを書こうと思っていたけど、
今日は、このまま続きの原稿に取り掛かります!

愚痴なんだか、仕事自慢なのか、
よくわからない駄文で、失礼しました……。

















shozf5 at 00:29|Permalink 執筆、執筆、執筆…… 

2011年07月02日

19歳少年の希望と挫折……・ユニオンズ取材雑記1

1957・西本道則氏

……すっかり、ごぶさたしてしまいました。
この間、地方取材を何本かこなしつつ、
新刊の執筆にひたすら励んでいました。

秋から来春にかけて3冊の本が出版される予定です。
いずれも、ここ数年取り組んできたことだけに、
大切に心をこめて取り組みたいと思っています。

で、ここ一カ月は、『高橋ユニオンズ』本のラストスパートです。
3年近い取材もほぼ終了し、膨大な記録の山を整理し、
自分で作った年表を基に、その裏付けをとりながら、
ひたすら書き進めている最中です。

ご存じない方のために、簡単に説明すると、
高橋ユニオンズとは1954(昭和29)〜56(昭和31)年の、
わずか三年間だけ存在したプロ野球チーム
です。

これまでプロ野球70年の歴史において希有な、
「企業」ではなく「個人」が所有したチームで、
オーナーは高橋龍太郎という財界人でした。

しかし、このチームは他球団の寄せ集めばかりで、
本当に弱いチームでした。
さまざまな政治事情や金策が尽きたこともあり、
チームは四年目のキャンプ中に解散してしまいます。

現在、このチームについての資料はほとんどありません。
完全に歴史の中に埋もれたチームとなっています。

何とか後世のために、そしてこのチームに関わった人たちのために、
資料的にも価値があり、さらにエンターテインメントでもある、
そんなドキュメンタリーを書こうと試行錯誤している最中です。

かつての選手たちはみな70代後半から80代になっています。
いずれも、その見た目は、普通のおじいちゃんです。
でも、彼らの口から出てくるのは「スタルヒンは〜」とか、
「西鉄の中西に打たれたボールは〜」とか、
まぎれもなくプロ野球選手の言葉ばかりです。

そのたびに僕は、

「お年寄りにも若い頃があり、青春があったのだ」

という、実に当たり前の感慨を抱いてしまいます。


先日、このチームの「四年目の新人」に会ってきました。
高校卒業直前に希望を抱いてキャンプに参加し、
キャンプ途中に球団が解散してしまった当時19歳の方です。

希望を抱いてプロの世界に飛び込んだところ、
開幕を前にして、自身の所属チームが消滅。
わけがわからないまま他球団に移籍を余儀なくされた少年。

運命の波に翻弄された、当時19歳の少年。
彼は60年近くも前のできごとを振り返った後、
小さな声でつぶやきました。


「僕はラッキーでしたよ」


……僕はこの言葉の真意がわかりませんでした。
すると、彼は言葉を続けます。


「だって、三年しか存在しないチームなのに、
四年目に入ることができたんですからね。
高橋ユニオンズの選手としては一試合も出場していないけど、
僕は、今でもユニオンズOBだと思っていますよ……」



その言葉を聞いて、僕は胸が熱くなりました。
上に掲げてある写真は、解散直前の彼の写真です。

この後に待ち受けている試練など知る由もない19歳の少年は、
実に清々しく希望に満ちた表情でピッチング練習をしています。


この本の取材では、何度も胸を打たれました。
そうしたエピソードを何とか一つの形にしたいと、
現在、試行錯誤中です。
また、随時、経過をご報告します!



※今回、あえて「です、ます」で書いてみたけど、
ちょっと気持ち悪いな(笑)。次回から、いつも通り書きます。







shozf5 at 14:55|Permalink 『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』関連 
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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