2007年06月

2007年06月30日

須藤元気、DVDが完成した!


今日、取材先から戻ってみると、
僕宛に、一本のDVDが届いていた。


それは、以前から何度か、このブログでも触れている、
須藤元気のDVDだった。


元気クンDVD










このDVDは「格闘技」に特化した内容で、
過去の名場面集と、元気クンの引退後に行われた、
宇野薫とのスペシャルマッチ(+α!)、そして、
都内各地で行われたインタビューとで構成されている。


僕は、このインタビュー部分を担当した。
彼の取材を始めてすでに4年ほど経っているので、
そうしたことを再確認するインタビューとなった。


それでも、まとまって話を聞くのは、
引退後では初めてだったので、
「今の心境」や「自身にとってのベストバウト」
など、お約束の質問もなかなか面白かった。


後ほど、ゆっくりと見てみようと思う。
発売は、7月4日予定。
もし、よろしければ、ぜひ見てみてください!
……宣伝で、スミマセン(笑)。





shozf5 at 19:05|PermalinkComments(3)TrackBack(0) 映画、音楽、そして本 

あぁ、猪木、あぁ、IGF…… 〜猪木からの自立〜

本日(29日)、アントニオ猪木の新団体、
IGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)の
旗揚げ戦を見に、両国国技館に行く。


僕たちは、アントニオ猪木にさまざまな、
そう、有形無形の、さまざまなものをもらった。

だからこそ、その恩があるから、両国に足を運ぶ。
12年前に、猪木を見るために、北朝鮮に行ったのに、
家から30分程度の両国に行かないわけにはいかない。


でも、やっぱり猪木はもう引退した人なんだなぁ、
と、改めて感じ入った次第……。

僕たちは「猪木」に過剰な期待をしてしまう。
それは、もうどうしようもない条件反射なのだ。

けれども、猪木はもうとっくに現役を引退している。
それなのに、僕はいまだに「現役時代の猪木」を
「今の猪木」に期待してしまう。

それは、見る側のエゴイズムでしかない。
……もう、十分にわかっています。
でも、やはり猪木に猪木を期待してしまう。

かつて、古舘アナは、88年8月8日の伝説の藤波戦で、

「もう、いいじゃないか、猪木と叫びたい!」

という実に胸に染み入る実況をした。

あれからすでに20年近い時間が経つのに、
僕はいまだに猪木に依存している。

もういい加減に猪木を楽にしてあげたい。
僕は、猪木からの自立を今日、しなきゃいけないのだろう。

自立する自信はないけど、でも頑張らなくちゃ……。



いちばん、いけないのは今の新日だぞ。
現IWGPチャンプ、
IWGP創設の理念を知っているでしょ。

僕はあなたのベルト姿、
あまりにも好きじゃないです……。

猪木が出てこなくて済む、
そんな新日はもうないのでしょうか?


……酔っ払いの繰言かなぁ(涙)……



shozf5 at 04:45|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 取材・インタビュー…… 

2007年06月28日

ビートたけしと呑んだ夜 〜ビートたけし〜


時刻は12時を過ぎたころだっただろうか?
そこにいたすべての人はすでに酔いつぶれていた。

コタツに入って、黙々とつまみを食べていると、
ビートたけしは言った。


兄ちゃん、酒、強いなぁ。


ここは、ビートたけしの別宅。
当時、つき合っていた女性と暮らしていた場所だった。
僕は、初めてこの日、ビートたけしと対面した。

「たけしさんの家で、クリスマスパーティーが
 あるんですけど、行きませんか?」


そう誘ってくれたのは、史上初の身障者芸人こと、
ホーキング青山氏だった。

当時、担当していた雑誌の表紙に
ビートたけしの登場を目論んでいたものの、
ことごとく事務所サイドに断られ続けていた。

僕はホーキング氏の誘いを受け、
表紙登場の直談判をしようと考えていた。

2002年12月23日、夜。
初めて訪れるたけし邸は東京タワーの
すぐ近くの高級マンションだった。

到着して、驚いた。
僕は勝手に、大規模な立食パーティーを
イメージしていたものの、
招かれていたのは、僕を含めて7名。
みんな、たけし映画でおなじみの役者ばかり。

(とてもじゃないけど、直談判できる雰囲気じゃないな……)

みんなでこたつに入り、同居している彼女による
手料理をいただいた。お歳暮の時期だけに、
たけし邸には、さまざまな贈り物が山積みされていた。
そうしたものを肴に、各地の銘酒をいただいた。

話題は、たけし監督が撮影する新作映画の話だった。
このときに初めて僕は、次回作に『座頭市』を
撮影することを知った。


ゆったりと時間は進む。
緊張気味の俳優たちを前に、たけしは映画について、
芸術について、お笑いについて話し続ける。

各地の酒を続々と呑み続けているからだろうか、
みんな次第に、眠りに落ち始め、
最後に残ったのが僕とたけしだけになった。

初めて会う、得体の知れない出版社の若者を前に、
さすがに気まずいと思ったのだろう、
たけし自ら声をかけてくれたのが、
冒頭に掲げた「兄ちゃん、酒、強いなぁ」という言葉だった。

これをきっかけに、ポツポツと会話が弾み始める。
そのまんま東が大森うたえもんと組んでいた
漫才コンビ「ツーツーレロレロ」を昔、
ライブで見たことがあるというと、たけしは微笑んだ。

「よく知ってるなぁ、兄ちゃんは」

そして、部屋に入ったときから気になっていた
質問を僕はした。

たけし邸のリビングのテレビの脇の棚に、
マンガ『天才バカボン』が全巻あったのだ。

僕は、大学時代に赤塚不二夫に出会い、酒の手ほどきを受けた。
今でも、僕の酒の師は赤塚さんだと思っている。

だから、たけしの家にバカボンがあることは、
本当に驚いたし、とても嬉しかった。

「バカボン、読むんですか?」

僕の視線の先にあるマンガを一瞥すると、
たけしは言った。


「あぁ。あれ……、ホントに下らねぇよな」


言葉は悪いけれど、それが褒め言葉であることは
十分、伝わった。


何とも言えない、いい気分になった。


「ちょっと待ってな。兄ちゃん、こんな酒もあるんだよ」


キッチンの奥に消えた、ビートたけし。
しばらくして戻ってくると、その手には
桐箱に入った日本酒があった。


「これは、きっとうまいぞ。何たって信州の……」


何とも言えない幸せな夜が、しばらくの間続いた……。














shozf5 at 15:08|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 忘れられぬインタビュー 

粋 第5回 〜三本立てで映画を楽しむ!〜

前日のこのブログで、『粋』と題する、
オチャラケコラムを掲載した。

……意外な反響があり、驚いた。

好意的なものばかりではなく、
「長すぎて読みづらい」という声がチラホラ。

でも、嫌がらせの意味も込めて、
本日も掲載します(笑)。

ここに書かれた体験、すっかり忘れていた。
でも、確かに、あの小柄なジイサンに、
僕はかなり感動したのだった……。


01.03




第5回

男の世界を深く濃く味わえ!

三本立てで映画を楽しむ!

「♪風は一人で吹いている、月は一人で照っている♪」
生まれてくるのも一人なら、死に行くときも一人なり。
男の生き方を、迷走しつつも探っていく「粋」第五回は
「三本立てで映画を楽しむ」だ。
「映画は映画館で観るものなんですね」、
とは故淀川長治先生のお言葉。含蓄のある言葉だ。
で、「イャぁ、映画って本当にいいもんですね」は水野晴郎の言葉、
そんなこたぁ、百も承知だ!!!!!!
でも、「シベ超2」が楽しそうなので許す。
今回は、都内に数少ない三本立て映画館に足を運ぼう!



タバコは吸っても携帯はマナーモードだった!

新宿昭和館。
その名を耳にしたことはあるか?
ある一定以上の世代にとってはたまらなく郷愁を覚える映画館らしい。
文太兄ィのヤクザ映画、健さんの任侠映画をとことん上映し、
たとえ、映画産業が斜陽化しようとも、
いつの時代も「漢の映画」を流し続ける「粋」な映画館だという。

ウワサには聞いていたが、オレは「粋」をめざすと
大言を吐きながらも一度も行ったことがなかった。
そんなフニャチン野郎からの脱却をめざして、
とある平日の昼間、新宿は南口の昭和館へ向かう。

本日のラインナップは松田優作主演モノほか、当然の三本立て。
雰囲気のいい、切符売り場のおばちゃんと
もぎりのおばちゃんに好印象を持ちつつ館内に入る。

1階の扉を開けた。
男性率100%。女率0%。
客入りは40%程度か。入り口には
定員471名とあったから、200名弱か?

そんなことはないや、50人程度しかいない。
繰り返すが、全員男だ。
期せずして女人禁制地帯に踏み込んでしまったオレは、
多少後ずさりしつつ、中を探検する。

すると、スクリーンの脇に、「場内禁煙」とある。
ここまでは、よくあること。
つづけて、「喫煙の場合は2万円の罰金」とある。
こんなに具体的な注意書きは初めて見た。

小指欠損率が高いエリア、
そんな当初の思い込みとは違ったが、
でも、決してカタギには見えない微妙な男たち。

くどいが、女の姿はない。館内に響くムード歌謡。
「夜の銀狐」だったっけか?
タイトルはわからないが、聞いたことのある曲だった。

場内が暗転。
映写機がカタカタと音を立て始める。
開始早々のことだった。
オレの三列ほど前に座る、ごま塩角刈りのオヤジが
おもむろにタバコをとりだす。
そして、何の躊躇もなく火をつける。

シュボッ……

ライターの音とともに、真っ赤に燃え上がるタバコの先。
暗闇に浮かぶ「禁煙」の文字。立ち上る紫煙。

そして、さらに、後ろから聞こえる、
「シュボッ」という音。
はるか前方に見える蛍のように光るタバコ。

50人も入っていない映画館で
10人近くがタバコを吸っている、シュールな映画館……。


男はいくつになっても、成長しつづける生き物なんだ!

オレの前の席の、部長風オヤジが挙動不審だった。
ライターの、あるいはマッチの音が館内に響くたび、
いちいち、音の方向に体ごと向き、
タバコを吸っているヤツの顔を確認し、
またスクリーンに向き直る、それの繰り返しだった。

「このオヤジ、よっぽどタバコの煙が嫌いなのか?」
タバコを吸っているオヤジに対して、
あからさまにイヤな顔をし、暗闇の中、
無言でプレッシャーを送っているのだ、とオレは思っていた。

しかし、事実は違った。
オヤジがコートのポケットをゴソゴソまさぐり、
取り出したのは紛れもなくジッポーのライターだった。

この部長風オヤジ、自分も吸いたかったのだ。
で、吸おうか、吸うまいか、悩んでいたのだ。

「タバコは吸いたい。場内は禁煙。
でも、みんな吸ってるじゃないか。
イヤ、みんな吸えば吸ってもいいのか?
みんなが何か盗んだら、
オレもドロボーになってもいいってことはないぞ。
そうだ、人の道は外すな、
これまでもそうやって生きてきたじゃないか。
いや、でも、ここで吸うからこそ、うまそうだしな。
あのオヤジうまそうに吸いやがって。
ああ、オレもあのオヤジのように
がさつな人間だったらよかったのに。
なんて小心者なんだ、オレのバカ!
あぁぁぁぁぁぁぁ……、吸いたい…」

こんな葛藤で苦しんでいたのだ。

そして、決心のときは来た!
オヤジは静かにタバコを取り出す。ハイライトだった。
そして、堂々とスクリーンを見据え、
実に優雅にタバコに火をつけた。

シュボッ!!

部長風オヤジが大きな壁を乗り越えた瞬間だった。
男はいくつになっても成長できるのだ。


ずっとオレの真後ろに立っていたあの男は?

部長風オヤジの成長を目の当たりにし、
いい気分で昭和館を後にする。
目ざすはすぐ近くの「新宿国際名画座」。
ポルノ映画の三本立てだ。

地下に下り、券売機でチケットを買う。
券売機には注意書き。

「ホモ、女装の方お断り」

やっぱりそうなのか……
話は数週間前にさかのぼる。
都内の三本立て映画館の話をしていたときのことだ。
友人曰く、

「新宿の南口にピンク映画館があるじゃん。
そこ行けよ、そこ。そこってハッテン場だし、面白そうだろ」

ホモの人が男をナンパする場だというのだ。
女の裸を見にきて、ホモについて行くヤツなんているのか?
という疑問は残るが、そのことが頭に残っていたので、
ちょっとビビった。友人曰く、館内のいちばん後ろに立ち、
どんなに席が空いていても決して座らず、
獲物を物色するのだという。不安な心持ちのまま、扉を開いた。

普通の映画館と明らかに異なるのが、座席の間隔。
浅く腰掛けて、思いっきり足を伸ばしても前の座席に届かなかった。
これって、チンコをいじりやすくするためなのか?
謎は残るが、答えを確かめる術はない。

1本60分の3本立て。入場料は1800円。
1本当たり、600円。AV借りた方が全然安いな。

映画を見る。

明らかにAVとは違い、決して駅弁も顔射もないが、
激しさを越えたいやらしさが印象的だ。

しかし、それよりも気になるのは
後ろの壁にもたれかかっている男。

もう映画どころではない。
トイレに行きたいのもガマンして観た。
正直言って、あまり覚えていない。
ただ、じっと、その男が過ぎるのを待った。

そして、3本目の途中、トイレをガマンできなくなった
オレは逃げるようにここを後にした。


今月の粋人は寒風の中、30分も立ちつづけていた

数日後、再び新宿昭和館に足を運ぶ。
先日のポルノ映画館の謎は何ひとつ解けていないが
ちょっと勘弁してくれ。貞操を守りたい。

で、また、昭和館だ。
この日は「仁義なき戦い」が上映される。
あの「バトルロワイアル」の深作監督の超代表作だ。

この「仁義」シリーズのときは盛況で
映画に合わせて昭和館内に掛け声まで
とぶらしいというウワサを聞いた。その熱さを感じたい!

入り口で時間を見るとあと30分ある。
初めから見たかったので、
近くの茶店で時間を潰すことにした。

で、待つこと20分。再び昭和館へ。
先ほど、オレが開始時間をチェックしているときに、
外の看板を丹念に眺めているジイサンがいたのだが、
そのジイサン、まだそこにいる。

次週上映、次々週上映のポスターまで
じっくりと執拗に見つめている。

「映画、好きなんですか?」
「はい」

ジイサンは人のよさそうな笑顔で答えた。
身長は150センチ程度しかなく、
きっと戦争時代、体が悪くて徴兵を免れている、
そんな弱々しい印象のジイサンだった。

「やっぱり、仁義なきシリーズが好きなんですか?」
「“仁義”もいいね。広能(注・主人公の名)は男だね。
でも、“健さん”もいいし、“力くん”もいいよな」

「力くん?」
「これこれ」

ジイサンが指し示したのは、Vシネマの帝王「竹内力」だった。
このジイサン、なかなかやる。
もっと話をしたかったのだが、もう「仁義」が始まる時間だ。
開始を告げるブザーがけたたましく鳴っている。

「もう、始まりますよ。入ったほうがいいんじゃないですか?」
次のひと言にオレはビビった。
「いいよ。もう何度も見てるから」

しかし、ジイサン。
あんた、何度も見て、改めて見直す必要がない映画のポスターを
少なくとも30分は寒風の中、見ているじゃないか?

オレは後ろ髪引かれる思いで館内に入った。
上映終了後ジイサンの姿はなかった。
粋の道は長い。さらに精進せねば!



今月のひと言
来年の成人式の話をしたい!
いきなり本題に入る。あえて、来年の話をする。2002年、新成人を迎える読者に言いたい。イヤなら成人式には行くな。成人式は決して楽しいものじゃないし、強制参加でもない。でも、あえて成人式に行くのならば、そこでこそ、「粋人」の心意気を見せろ。つまらないものでもじっと耐える。オンとオフ、ハレとケ。その場の雰囲気をつかめる大人になれ。それがリアル粋人というものだ。橋本知事、あんたは粋人だ!


雪之丞華之介●新日にはもはや「ストロングスタイル」はないのか? 新年早々、大問題をつきつけられてしまって、悶々とする30才。






shozf5 at 02:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 『粋』な男を目指す旅…… 

2007年06月26日

粋 第4回 〜「江戸」が息づく、浅草を散策する〜

修理に出していたパソコンが戻ってきた。
改めて、原稿などのデータを移し替える。


……古い原稿が出てきた。


僕がまだ、編集者時代に書いていた連載原稿。

タイトルは『粋』

ペンネームは、学生時代から使っていた、雪之丞華之介


当時担当していた若者向け雑誌(10代から20代前半男子)で、
30歳を迎えた僕が、「威張り散らしつつ、無粋な自分を変えていく」
というコンセプトで始まったこの連載。

人称は「僕」ではなく、「オレ」。

自分はこんな文章を書いていたんだな、と
新鮮な気持ちを抱いたものの、
何のことはない、このブログはまんまこの文体だった。


当時のH編集長の発案で始まり、
その後も、「ただH編集長だけが喜んでくれるから」
という理由だけで、実に1年半ほど書き続けた。

連載すべては残っていないけれど、
その一部は残っていたので、ここに採録したい。
(文章、長くてゴメンナサイ・笑)


01.02




第4回

「東京」じゃ、ねえぞ、「江戸」だ、「江戸」!

「江戸」が息づく、浅草を散策する

「粋」を目ざして日々精進しているつもりのオレだが、
道はまだまだ長く険しい。オマエたちも頑張っているか?
さて、リアルシティボーイを目ざすためには、
まがい物じゃない、本当の東京を知らねばならない。
そこで、今回の「粋」は、華のお江戸は大東京、
粋な男は浅草をめざす! ということで浅草探訪だ。
正直言って、オレは浅草をよく知らない。
が、あの偉大なるレスラー「三沢光晴」も愛する街、
浅草を極める旅に一緒に出かけようじゃないか!!!



食って呑んで落語見て。編集長ゴメンナサイ!

東京に憧れ、東京を極めようと頑張っている読者諸君。
シティボーイを気取るのはいいが、真の伊達者、
リアルシティボーイをめざすなら、まずは、浅草を極めよ!
これはアドバイスではない! 命令だ! 

「浅草こそ江戸の華」
「江戸の心は粋にあり」

この格言を知ってるか? 知らないだろ。オレが今、作った言葉だ。
江戸時代、江戸の男たちは、そろって、粋を極めようとしていた。
そんな男たちのスピリットを今こそ、見直せ!
今の、東京でもっとも「江戸」を感じさせる街、それは浅草だ。

昔、カブキロックス(知ってるか?)が
ジュリーの名曲『TOKIO』をカバーした『OEDO(お江戸)』は、
いただけなかったが、そんなことは関係ない。

とにかく、華のお江戸を極めるために、
今回は「粋」を求めて浅草をさまよう。

まずは浅草寺を参拝。基本だ。厳かな気持ちでスタートだ。

そして、景気づけに一杯。創業明治13年。神谷バー。
客席はかなり埋まっていた。午前中だったが、
みんな「デンキブラン」を呑んでいる。
明治初期、西洋の洒落たものを「電気○○」と呼ぶ習慣があったころ
のなごりで、ブランデーベースのカクテルだ。価格は260円。

初めて飲んだが、安くて呑みやすい。
アルコール度は30度とちょっと強い。
で、気づくとみんなデンキブランとビールを一緒に呑んでいる。
どうやら、これが通の呑み方らしい。勉強になった。

で、前々回のこの連載でも行った「浅草演芸ホール」落語を見る。
平日だったが、客入りはまずまず、さすが笑いのメッカ浅草だ。
ビールを呑みながら、見るのもオツなもんだ、のり巻きもうまかった。

このままでは、取材にならないと、焦りつつ、
午後八時ホールを途中で後にした。

そして、向かったのは、牛鍋の専門店、「米久本店」。
「すき焼き」と呼ばずに「牛鍋」と呼ぶのもいい感じ。
3800円のちょっと豪勢なディナー。
霜降り和牛の底力を見せつけられた。
こんなにうまくてどうしよう、うれしい悩みだったが、ハプニングがあった。

周りの客がどんどん減り始め、定員も後片付け。21時閉店だったのだ。
ビールと和牛の絶妙のハーモニーを途中で邪魔されたが、
これだけうまけりゃ仕方ないか。よし、神谷バーに戻って呑み直し。
バーに向かう、閉まってた。
21時30分ラストオーダー。あぁ、夜の早い街、浅草。


修業とは出直しの連続である(猪木の受け売り)

これじゃあ、イカンと、後日浅草に出向いた。
まず、向かったのが浅草が生んだ「世界の北野」こと、
ビートたけしの修業時代に住んでいたアパート。

言問通りをちょっと入った所にある、そのアパート。
聞けば、当時の面影を残したままだという。
あの天才の若かりし修業の日々を思い、気分を新たに取材する。

先日は、ここで、デンキブランを呑んで
いい塩梅になってしまった反省があるので、酒は呑まずに次をめざす。

時間はまだ十二時。昼食を摂る。店は「浅草今半」。
ここで牛丼を食べる。牛丼と言っても、
上場したぐらいで浮かれてる吉野家の牛丼なんかと一緒にするなよ。

ここも、和牛専門店の老舗だ。
一口食べて、吉野家の二百倍、松屋の百倍うまいと、瞬時にわかった。

オレは迷わず、ビールを頼む。

生きてるってすばらしい!
人生で心からそう思える瞬間って、あんまりないと思うが、
その時のオレはまさに、そんな心境だった。

店を後にしてフラフラ浅草寺に向かって仲見世を歩く。
途中、韓国人の観光客集団とすれ違う。
地図を見ながら何やら迷っている。
オレは迷わず近づき、自慢の韓国語で案内をしてやった。

あまり伝わらなかったようだが、
オレのロレツが回っていないのか、相手の耳が悪いのか、
オレの流暢な韓国語はあまり意味をなさなかった。
だが、そんなことはケンチャナヨ。

自分が幸せな気分だと人にも優しくなれる。
仲見世を途中で左に折れて、
六区ブロードウェイに向かってフラフラ歩いた。

目ざすは伝説の遊園地。
ジェットコースターが壊れかけてて怖い、とか平日の客は20人ぐらいだ、
とか数々の都市伝説を持つ花やしきだ!


平日の花やしき。客は12人だった(目測)

さあ、花やしきだ。
江戸時代の嘉永6年(1853年)開園という
150年近い歴史のある遊園地だ。

平日の昼、オレは一人だった。
「一人で遊園地」、寂しいよな。
でも、その寂しさを乗り越えてこそ、真の「粋人」にたどりつけるのだ、
そう信じてゲートをくぐる。

くぐって驚いた。客がいない。誇張じゃない、ホントに誰もいない。
「休みか?」
いや、今、確かにチケットを買って、
受付のお姉さんに半券をもらったばかりだ。休みのはずはない。

不安な心持のまま、園内を歩く。人影が見える。
十代のカップルだった。デートでここに来るとは、
なかなか粋なカップルだ。
少しうれしくなって、オレはアトラクションを次々と制覇していった。

自慢の日本最古のローラーコースターにも乗った。当然、貸切だ。

一人で乗るジェットコースターもいいもんだ、と思ったが、
もし、ここで事故にあったら、

「不幸中の幸い・死者1名 平日でよかった(関係者談)」

なんて、報道されたらどうしよう、と不吉な考えがよぎる。
死ぬのは仕方ないが、「一人で花やしきに来てた」ことを知った
知人はオレのことを何て思うだろう。

コースター好きのオレもさすがに寂しくなった。
こんなにせつないコースターは初めてだ。

すると、オレと入れ違いで、若い男が乗り込んでいく。
その男、年のころ、27、28。ナップザックを肩にかけ、
薄いベージュのジャケットを着ている。

彼も一人だった。しかし、何しろ、狭い園内。
どこに行っても彼に出くわす。
お互い、何となく意識をし始めるのがわかる。

まるで、恋愛の初期症状のようだ。
オレは何となく気まずく、彼を避けるように園内を散策した。


なんと「粋人」はまさに、その男だった!

午後三時。場所はフラワーステージ。
「花やしき一座の仲間たちのゲーム大会」、
観客は一人。舞台には若手芸人が二人。演者の方が多い状況。

もちろん、その観客こそが「彼」だった!
一人でショーを見る、そんな勇気はオレにはない。
オレはステージを見渡せる高台からそのステージと彼を見た。

見る方も辛いだろうが、やる方はもっと辛いはずだ。
もし、「彼」さえいなければ、この公演は中止になったかもしれない。
が、客がいる限りイベントは続けられる。

しかし、強制参加でもないのに、
どうしてそこに平然と座りつづけられる?彼よ。

ジャンケン大会が始まる。

大会も何もあったもんじゃないが、芸人は客席まで降りてきて、
彼と二人でジャンケンを始める。

「ジャンケン、ポン!」

 ステージに残ったコンビの片割れの大声が
スピーカーからむなしく響く。彼が負けた。

 一瞬の静寂。そして、芸人が叫ぶ。

「さあ、次は準決勝!」

????????

今のは準々決勝だったのか?
また、ジャンケンが始まる。彼はまた負けた。

「さぁ、いよいよ決勝戦!」

この行方がどうなるのか、高台で一人、オレはドキドキしていた。

「ジャンケン、ポォンッッ!」

彼が勝った! 安堵する芸人、そしてオレ。

「おめでとうございます!優勝です! さァ、賞品です」

彼は風船をもらい、そして、優勝者インタビュー。

「どうもありがとうございました」

誰に向かってしゃべっているのか? しかも1勝2敗で……。

数十分後園内を後にしようと出口に向かうと彼がいた。
オレはちょっと悩んだが、彼に声をかけた。

「寒いっすね」
「そうっすね」

オレたちに言葉はいらなかった。
彼こそ、「孤独」と立ち向かえる真の勇気ある者、「粋人」だった。
オレもまだまだ甘かった。来月も「粋」を目ざして頑張ろう!



今月のひと言
人は歩みを止めた時に、そして、挑戦をあきらめた時に、年老いていく。時間は短い。真剣に悩んでいることでも、ある人にとってはどうってことねぇ、ことだったりする。あせるな怒るなあわてるな。そんなことを考える今日この頃。2001年を迎え、オマエたちも頑張っているだろう。オレも頑張る、オマエらも頑張れ。それが、メッセージだ。さて、この連載への意見、感想を待つ、迷わず行けよだ。また、来月!


雪之丞華之介●新宿のなじみのバーが立て続けに2軒なくなった。数々の思い出をありがとう、と感傷的になっている30才。今年は新しい店を探す年か?








shozf5 at 13:30|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 『粋』な男を目指す旅…… 

R・木村よ、あなたは偉かった!

猪木対はぐれ国際軍団の試合を続けざまに見た。

猪木と木村3



すげぇ、試合だなぁ〜。


猪木と木村2



もう、25年も前なんだなぁ〜。


猪木と木村1



2人とも、もう引退しちゃった〜。



明日から、久々に、猪木モノの本や資料を
引っ張り出して、読んでみよう。


……R・木村さん。
子どものころ、あんなに憎んでゴメンナサイ。

思えば、僕はあなたを恨む理由も必然性も、
これっぽっちもありませんでした……。

本当に、ゴメンナサイ。









shozf5 at 01:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画、音楽、そして本 

ラッシャー木村の「涙酒」……。


お世話になっている編集の人から、
今朝、メールが届いた。

用件が述べられた後の文末には、
こんなことが書かれていた。

以下、そのまんま引用。


☆「プロレススーパースター外伝」読んだ?
久々に即買いしたよ。



……?


プロレス好きのこの編集M氏とは、
これまでも、よくプロレスの話をしていたし、
幼いころ読んだ、
『プロレススーパースター列伝』の話も何度もした。


でも、『プロレススーパースター外伝』とは
初めて聞くネーミング。


で、ネットで調べて詳細が判明した。


さっそく、階下の本屋に買いに行く。
しかし、さしものブロードウェイにも売っていない。

で、近くの大きい書店に行くと、すぐに見つかった。



あぁ、80'sプロレス!



なるほど、確かに
これは即買いだ!

ということで、
『熱血!!コロコロ伝説』などと
一緒に、即購入し、
終日、読み耽った。





……年寄りの繰り言になるけれど、
80年代のプロレスは熱かったなぁ……。


このムックの中では、その後の後日談を
踏まえたエピソードが盛り込まれた、
「ノンフィクションで蘇る豪華2本立!」と
題された書下ろしマンガが掲載されている。


そのうちの1本、

『ラッシャー木村の「涙酒」
 南国・居酒屋の夜』


という一編には、大いに胸を打たれた。


このムック中にも書かれているのだけれど、
NWFを返上し、IWGPを創るまでの、
新日本プロレス、そしてアントニオ猪木を
支えたのは、間違いなく、ラッシャー木村
率いる、はぐれ国際軍団だった。


当時、僕は10歳から12歳。

毎週、毎週、テレビの前で失禁と脱糞をするような
恍惚に似た興奮と共に、テレビを見つめていた。

もちろん、猪木の応援で、打倒ラッシャーだった。


でも、その後、大人になり、
当時の状況をいろいろと考えていると、
ラッシャー木村の偉大さを、痛感することが多くなった。


で、ここに描かれたラッシャーの姿が、
実に、カッコいい。


かつて、国際プロレスという団体でエースを張った男が、
団体の倒産と共に、猪木に拾われる形で新日本プロレスに入る。

かつての部下たちの生活も守らなければならない。
その中で、それまでの「エース」というプライドを
かなぐり捨てる必要が、当然出てくる。

そこで、ラッシャーが選んだ選択とは……?


いやぁ、いい話だった。
今晩はこれを肴に呑もうと思う。
さっそく、古いビデオを探してみたら、
当時の試合ビデオが見つかった。


鹿児島県・鹿屋市でのラッシャー木村の「涙酒」。


僕は、今日東京・中野で、
この試合のビデオを見ながら、
ラッシャーに感謝する「涙酒」を呑もうと思う……。







shozf5 at 00:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画、音楽、そして本 

2007年06月25日

ずうっと今夜だといいね。いつまでもいつまでも……


ずうっと今夜だといいね。いつまでもいつまでも。

今日発売されたばかりの『熱血!!コロコロ伝説2』
読んでいて初めて知ったのだけれど、
マンガ『新・オバケのQ太郎』最終回で、
Qちゃんは、オバケ学校入学のために、
オバケの世界に帰るのだという。

みんなにそのことを内緒にしていたQちゃん。
でも、正ちゃんはその不自然な様子から、
本当のことを聞き出し、
Qちゃんと正ちゃんは最後の一日を過ごす……。

そのときの最後の夜のセリフがコレだった。

『ドラえもん』にも、似たような話があったけれど、
藤子・F・不二雄先生、やるなぁ〜。いいこと言うよなぁ〜。



……しかし。



F先生には、非常にダークな一面もある。

コレは先日、人に勧められて読んだ本なのだが、
『ミノタウロスの皿』と題された「異色短編集」。

この短編集の中に、「劇画・オバQ」という短編がある。
「オバQ」から15年後の世界を描いたこの作品。
(以下、ネタバレです)


それぞれが大人になり、さまざまな葛藤を抱えている中、
Qちゃんは再び、みんなの前に現れる。

初めは懐かしさのあまり、歓迎されるものの
次第に、鬱陶しがられ始めるQちゃん。

そして、「あること」が契機となり、
Qちゃんは一人で、
オバケの国に帰るのだった……。


……非常に後味の悪い話だった。


読後、かなり切なくなってしまった。
インターネット上で、誰かが悪意を持って、
三流パロディを作るならともかく、
F先生、自ら、こんな切ない話を作るなんて……。


もちろん、「大人になることゆえの切なさ」こそ、
この話の主題であることは承知しているものの、
それでも、やはり、悲しくなってしまった次第。


で、本日、


ずうっと今夜だといいね。いつまでもいつまでも。


このセリフの存在を知ってしまい、
ますます胸が苦しくなりました。

こんな素敵なセリフを吐いた2人の強固な関係も、
15年を経ると、脆弱な関係に変化してしまう……。


あぁ、時の流れの残酷さよ……。


大の大人が一日中、マンガを読んでいる
情けなさは、ひとまず棚に上げて、
今日は、終日、
「大人とは何か?」を考える一日となりました……。








shozf5 at 19:03|PermalinkComments(0)TrackBack(1) 映画、音楽、そして本 

久々に仕事した感じ(笑)


昨日(23日)、今日(24日)と、
ひたすら原稿を書き続ける。

実は、熊本から帰ってきて、
金曜、土曜と朝まで呑むという
再びの体たらく&自堕落の日々。

さすがに心を入れ替えて、
今日は呑まずにひたすら原稿書き。

月曜日締め切りの原稿が3本あったのだけれど、
昨日、今日ですべて完成させる。

明日、編集の人にチェックをしてもらい、
問題なければ、それで終了。


……なんだか、久々に仕事をした感じ(笑)。


来月には、新しい仕事が始まるので、
その準備をしつつ今週は過ごしたい。

と言うより、今週もヒマだな、
……困った、困った(笑)。





shozf5 at 01:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 執筆、執筆、執筆…… 

2007年06月24日

「不安」を纏う美少女 〜堀北真希〜


……私、自分で「今日はうまくいったな」と
思うことなんて、ほとんどないんです。
むしろ、「今日もうまくいかなかった」と
思うことばかりの、毎日なんです……。



堀北真希は、閑静な洋館でそう呟いた。
端正な顔立ち、穏やかな物腰。
じっと耳を澄まさないと消え入りそうな声。

彼女のインタビューは、
多くの「不安」で包まれていた。

高校を卒業したばかりの18歳とは
思えないぐらい、淡々と取材は進む。


……辛いことや悲しいことを経験した分だけ、
人は優しくなれると思うんです。
だから、一日一日を大切にしたいんです……



18歳の少女は、さらに続けた。


……18年しか生きていない私が言うのも変ですけど、
人って、生きてきた時間ももちろん大切だけど、
それよりも、その密度がもっと大切なんだと思います……



目の前で淡々と話す少女のこれまでの道のりには、
一体、どんなことがあったのだろう?

憂いを秘めたたたずまい。
スクリーンの中では、静かだけれど、
とてつもない存在感を示す真の「女優」。

物音ひとつしない、本当に静かな、静かな洋館。
時間がゆっくりとゆったりと流れる中、
18歳の少女は、淡々と話し続ける……。








shozf5 at 12:50|PermalinkComments(0)TrackBack(1) 忘れられぬインタビュー 

2007年06月22日

スナックの似合う男 〜熊本道中・その3〜


スナック――。
何て甘美な響きなのだろう!

僕は普段、東京では何軒も何軒も呑み屋に行くけれど、
行きつけの「スナック」はひとつもない。

バーや小料理屋、居酒屋、立ち呑み屋ばかり。
スナックって、どうしてもオッサンのイメージがあるから。
でも、決して、その雰囲気が嫌いなわけじゃない。

僕も早く「スナックの似合う大人」になりたい。
そして、木の実ナナ似のママさんの小言を聞いてみたい。


そんな僕だけれど、なぜか旅先ではスナックによく行く。


こじゃれたバーなどないような所に行くから
バーなんかには、行けないし、行かない。

それよりも「旅先のスナック」には、
何とも言えない、ものすごい魅力があるのだ。

もちろん、ハズレの場合も多々ある。
常連さんだけで、よそ者に排他的だったり、
カラオケの音量が最大で、耳が痛くなったり、
ヘンなオヤジにからまれたり……。

それでも、僕はスナックに行く。
ということで、旅館のおばちゃんに勧められた
スナック「クリゲ」のドアを開ける。

――緊張の一瞬。

客は奥のボックス席に、3名ほどの団体客。
横で楽しそうに呑んでいる女性3人は、
店の人なのだろう。

この時点では「当たり」か「ハズレ」かはわからない。

とりあえずカウンターに座り、セットの焼酎を注文。

グラスに氷を入れてくれるのは、
そのボックス席から移動してきた若い女性。
胸には「そら」というネームプレート。

若い女性が嫌いというわけじゃないけど、
せっかくスナックに来たんだから、
やはりここは、杉田かおるやちあきなおみ
みたいなちょっとやさぐれた感じのママから、

「男? ……いろいろあったよ。昔のことだけど……」

という感じで、その男性遍歴を聞いてみたかった。

そして、そらさんの横には若い男の子。
胸には「チーフ チュウヤン」とある。

旅館のおばちゃんがここを勧めてくれた理由がわかる気がした。

おそらく「若い子には若い子を」、

ということだったのだろう。


「観光ですか?」とか「おいくつですか?」とか、
しばらくの間、チューヤンとそらさんと、
互いの自己紹介をしつつ、呑み続ける。

チューヤンは、かなりの格闘技好きだったので、
彼と一緒に、K−1やプライドの話をする。
わけもわからず笑顔で、それを聞くそらさん。

次第に、客でいっぱいとなる店内。
僕の隣に、ひとりの初老の男性が座る。

他にもまだ席はあるのに、わざわざ
すぐ隣に座ることに、ちょっと不思議な感じは
したけど、こちらも酔っているし、
その男性もすでに呑んでいるようだったので、
気にせずに呑み続ける。

当然のことながら、隣同士になれば、
ひと言、ふた言、会話が始まる。
名前はOさんだという。

気がつけば、チューヤンとそらさんと、
4人で会話をすることに。
といっても、ほとんどOさんがしゃべりっ放し。


突然、Oさんが言う。


「兄ちゃん、トマト好きか?」


「ハイ」と答えると、「ちょっと待ってろ」と
店を出るOさん。

まさか、畑に採りに行ってるんじゃないだろうな、
と心配しつつ5分ほど経過。

Oさん、実においしそうなトマト5個と
ミニトマト数個を手に店内に戻ってきた。

畑から採ってきたのではなく、
すでに袋詰めされていたが本当においしそう。
ありがたく頂戴する。

さらに、Oさんは言う。


「そうだ、兄ちゃん、銀座行こう、銀座!」


もちろん、東京の銀座だとは思わない。
どこか近くに「玉名銀座」とか「温泉銀座」
という名前の一角があるのだろう。

もちろん、僕は「行きましょう!」と応じる。


「あっ、ちょっと待って。その前に一曲!」


Oさん熱唱








いい感じで熱唱し、Oさん大満足。




というわけで、2人で「クリゲ」を後にし、
「銀座」に向かうことに。

行ってみてビックリした。
そこは、「銀座」という名前の居酒屋だった。

Oさんと2人、それぞれのこれまでの人生を語り、
「40代を迎える心構え」を、僕に説いてくれる。

1時間ほどして、店を終えたチューヤンとそらさん、
そして名前を忘れてしまった女性の3人が合流。


「これは、うまいから食え!」
「これは、ここの名産だ!」などなど、
Oさんの心遣いが一人旅の身には実に嬉しい。


「クリゲ」で一緒だった、チューヤンもそらさんも、
それぞれ今年、20歳に21歳と年若く、
いい若者といった感じで気持ちのいい連中。

本当に幸せな気持ち、そして名残惜しいまま、
午前2時すぎにお開きに。


みんな、本当にどうもありがとう!


その日の昼まで、「玉名」という街の存在も
何も知らなかったのに、いきなり、
「僕的好きな街ランキング」に初登場で、
ベストテン入りしました!


また、熊本に行く機会があれば、
ぜひ玉名に寄りたいし、「クリゲ」にも顔を出したい。
いやぁ、楽しかった、楽しかった。


追伸
焼酎をロックでしこたま呑み、
いい気分で寝ていると、8時半に、
見知らぬ番号から着信。

電話に出ると、Oさんだった。


「今度、いつ来るの?」
「今度は、うちに泊まれよ。
 そうしたら宿代かからないからな」
「雨降ってるから、気をつけて帰れよ」


最後の最後まで優しい人でした。
酔った頭で、僕はちょっと泣きそうになりました。


(長々とスミマセンでした。これで完結です)







shozf5 at 22:43|PermalinkComments(4)TrackBack(0) 私は今、旅の途上です 

玉名温泉にやってきた 〜熊本道中・その2〜

特急電車で行けば、20分程度で着く距離を、
バスでのんびりと1時間以上かけて玉名駅に。
そこは、静かでのどかな温泉街の駅といった風情。

とりあえず、宿を探そう。

いつもそうなのだけれど、飛び込みで宿に行っても、
一人旅だとあまり歓迎されなくて、
いつも不愉快な断り方をされることが多い。

だから最近では、駅にある「観光センター」経由で、
宿を見つけるようにしている。

一人旅だといつも割高になるのも、
「しょうがない」とあきらめるようにしている。

ということで、「八芳園」という名の旅館をとる。
いい値段がしたので、それなりの格式はありそうだし、
東京にある同名の格式高い施設と関連があるのかも、
という思いもあったのが、ここに決めた理由。

時刻は17時になろうとしていたので、
ひとっぷろ浴びて、近くを散策。


自然を満喫するのと、今夜の呑み屋探しが目的


ほどなくして、宿に戻り、再び温泉につかると、
食事の用意ができていた。

配膳のおばさんと他愛もない会話をし
(35歳の娘が結婚をしないことに悩んでいること、
 普段は何をしているのかと聞かれたり……)、
ひとりじゃ食べきれないほどの食事を楽しむ。


こんな時間に、ひとりでテレビを見るのも久しぶり。
ものまね特番を見つつ、しばし楽しむ。


で、2時間ほどかけて、ゆっくりとビールを呑み、
片付けに部屋にやってきたさっきのおばちゃんに、

「これから呑みに行きたいんだけど、
 オススメの店はないですか?」
と聞く。


するとおばちゃんは、ひと言。


「若い人が行くなら、クリゲがオススメだよ」


……クリゲ。


夕方、散策したときにその店の位置は確認していた。

看板には、馬の絵が描かれていたので、
おそらく「栗毛」がその由来だろう。

前日、さんざん馬刺しを食べていたので、
ちょっと胸が痛んだけれど、
オススメされた以上、行かねばなるまい。

楽しい夜は、こうして始まろうとしていたのです……。


(あれ、終わらなかった……。再び、つづきます…)




shozf5 at 21:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

楽しい一日の始まり 〜熊本道中・その1〜

熊本2日目――。
この日は、何もする予定ナシ。

どこに行こうか、何をしようか、
完全なフリーの一日。

ということで、まずはホテルを出て、
すぐ近くの熊本城に行くことに。

街のいたるところに「築城400年」
文字が踊る由緒ある名城。


築城400年!






特に、城好きというわけじゃないけど、
それでも天守閣に上ると独特の興奮状態に。
つい数日前に見た、志村けんのバカ殿を思い出す。


1時間ほど、この城で過ごし、
とりあえず、近くの大型バスターミナルに移動。

一時期、新宿で呑むたびに通っていた
「桂花ラーメン」を見つけたので、

「そう言えば、桂花って熊本ラーメンだったな」

ということで、久しぶりの味を堪能する。


腹も満たされ、バスの掲示板に目をやる。
ここからは、福岡にも大分にも宮崎にも行ける。
正直言えば、思い切って遠くまで行きたかったのだけれど、
翌日は、「熊本から」帰らなきゃいけない事情があったので、
熊本県内の温泉を探すと、

「山鹿温泉」、「菊池温泉」、「玉名温泉」の文字。

どれも聞いたことのない温泉だったので、
以前、渋谷で朝方になると入っていた
24時間営業の呑み屋と同名の「ヤマガ」温泉に行くことに。

バスの時間を調べると、あと45分ある。
「それならば」、と近くの本屋に入り、
旅のお供の本を購入することに。

何冊かを物色し、レジに向かう途中で、
目についたのが『小津安二郎先生の思い出』という本。

「どうして、店先のこんなに目立ついい場所に、
 笠智衆の本が置いてあるのだろう?」

と思いつつも、寅さん好きで笠智衆好きな僕は、
この本を手に取り、そのままレジに持っていく。

で、発着場のベンチに腰掛け、
バスの到着を待つ。

今買ったばかりの、笠智衆の本をパラパラとめくる。

そして、気がついた。
笠智衆は、熊本の人だったのだ。
出身地を見ると、現在の「玉名市」とある。


「玉名、タマナ、たまな……」


先ほどの、バスの表示案内の記憶がよぎる。


「そうだ、山鹿温泉をやめて、玉名温泉に行こう!
 笠智衆の出身地だし……」



そう考えると同時に、近くのバス停に
玉名方面行きのバスが到着したのが見えた。


「これは、玉名温泉に行くしかないでしょう!」


それが、楽しい楽しい半日の始まりだった――。


(長くなりそうなので、つづきます……)
















shozf5 at 21:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 私は今、旅の途上です 

2007年06月21日

馬刺し、馬タン、馬レバー 〜熊本にて……〜


本日(20日)、熊本にて取材。
待ち合わせが18時に熊本駅ということだったので、
午前中に一本原稿を書いて、ゆったりと熊本入り。

僕にとっては、初めての熊本。
待ち合わせまでには時間があったので、
とりあえず、駅前から出ている市電に乗る。

鹿児島と同じような感じで、
行き先もわからないまま終点まで。

駅前の喫茶店で「アイスレモンティー」を
注文したら「お腹減ってない?」と聞かれる。

「減ってない」と答えたにも関わらず、
「これ、サービスよ」と、おかきとあられのあめあられ。
とにかく煎餅のようなものを、たらふくご馳走になる。


で、18時に編集のIクンと合流し、取材場所へ。


19時過ぎに取材開始で、21時前に取材終了。

それからは若いIクンと、呑み屋を回る。


「熊本は馬だ」という固定観念にしばられているため、
そこからは、とにかく馬ばかり注文。
馬刺し、馬のレバー、馬の舌……。


……で、今ホテルに戻った次第です。
さらに、先ほど金曜日に予定されていた取材が、
来週に延びたという連絡が入りました。


ならば、明日、東京に戻る理由がなくなりました。

東京には、明日は帰りません。
さあ、どこに行きますか?


どうやら、湯布院も近いらしい。
明日はどこかの温泉から、ブログをアップします。


ということで、オヤスミナサイ。












shozf5 at 02:13|PermalinkComments(3)TrackBack(0) 私は今、旅の途上です 

2007年06月20日

明日は、いざ熊本!

本日(19日)は、終日原稿を書いて過ごす。

ほぼ完成していた長いものを一本と、
800字程度の短いものを一本。

本当は、それらを早く終えて、
神宮球場に行こうと思っていたのに……。

本日午前中には、今までにやったことのない
まったく新しい仕事の依頼が。
新しい展開に向けて、楽しみに待つとします。


さてさて、急遽、明日から熊本に行くことになり、
そのための諸々の準備で、本日は終日自宅で過ごす。

よく考えたら、僕にとって熊本は初めての地かも?
明日は、熊本の地酒で一杯やることにしよう。
一応、パソコンは持参するけれど、
明日はブログの更新はできるかな?


本日、特に何もないまま静かに過ごす一日。
まぁ、たまにはそんな日があってもいいでしょう。
明日は午後の便なので、ちょっとゆっくりできる。


さて、今夜は呑みに行かずに、
ビデオで何か映画でも見ようかな?

どうでもいい近況報告でスミマセン。







shozf5 at 00:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 私は今、旅の途上です 
PROFILE
SHOICHI HASEGAWA 
1970年5月13日・東京生まれ。
ノンフィクション・ライター
日々、旅をして、人に出会い、
話を聞き、それを文章にする。
そんな日々の雑感です。
長文になると思います。

ちなみに、上の写真は、
モハメド・アリ@北朝鮮です!
(07年3月1日付参照のこと・笑)
shozf5@gmail.com


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